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今週の花

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「皆さん、ごきげんよう。さようなら」

2020.07.14

【花】アルストロメリア(ピンク)、トルコききょう(コサージュピンク)、かすみ草(染)、ヒペリカム(ココバンブー)、【枝】ユーカリ(ポポラス)

 皆川達夫さんが、亡くなられました。
 92歳でした。

 皆川さんといえば、「音楽の泉」。
 日曜日の朝、NHKラジオ第1放送から流れてくるクラシック音楽。そして、皆川さんの抑揚のある独特の語り。もの静かで、誠実な人柄がにじみ出た話しぶりは、「音楽の泉」を単なる音楽番組ではなく、さらに味わい深いものにしていた気がします。

 3月下旬、何げなく「音楽の泉」に耳を傾けていると、放送の最後のところで、「私事で恐縮ですが、今日の放送をもって…」と、突然、皆川さんが退任の挨拶をされるではありませんか。まさに寝耳に水で、本当に驚きました。

私にとって「音楽の泉」は、皆川達夫さんそのもの。その皆川さんが、突然辞められるとお聞きし、びっくりしました。
 今から考えるとおかしいのですが、なぜか「皆川達夫さんの音楽の泉」は永遠に続くものと、かってに思っていました。

 さらに驚いたのは、皆川達夫さんが4月17日に亡くなられたこと。
 3月に、30年以上にわたってパーソナリティを務められた番組で、別れの挨拶をされた、その翌月に、まさか老衰で召天されるとは…。
 3月下旬に、元気なお声を聞いていただけに、ニュースで訃報を知り、信じられない思いでした。

 7月のある日、NHKFMラジオで、皆川達夫さんの最後の「音楽の泉」が、再放送されました。バッハの「無伴奏バイオリン・パルティータ第3番」でしたが、涙が出る思いで、聴かせていただきました。

 ラジオから皆川達夫さんの声を聞くのも、これで最後かと思うと、言うに言われぬ思いにさせられました。

 皆川さんが、いつも放送の最後に語られる言葉。
 「ここでお別れいたします。皆さん、ごきげんよう。さようなら」。
 今となっては、あの日語られたこの言葉は、皆川さんが「音楽の泉」ファンに語られた遺言だった気がします。

 私の心には、今も皆川達夫さんの言葉が響いています。
 これからも、皆川達夫さんのあの声を忘れることはないと思います。

 皆川達夫先生、ありがとうございました。(O)

思いがけないプレゼント

2020.06.30

【花】ゆり(シベリア)、オンシジューム、スプレーカーネーション(バレッロ)、アルストロメリア(赤)、グロリオーサ(サザンウィンドゥ)、【葉】ユーカリ、【枝】房おくり

 カルガモの巣が見つかりました。
 それも、なんと自宅のすぐそばで…。

 カルガモといえば、東京・大手町のカルガモの親子が、頭に浮かびます。
 お母さんを先頭に、生まれて間もない幼い子ガモたちが、よちよちと一列になって歩く姿。高層ビルが林立する大手町で、車道を堂々とわたり、皇居のお堀まで引越しをする姿は、なんとも愛らしく、すっかりこの時期の風物詩となっています。

 そのカルガモの巣が、自宅近くの土手で見つかったのです。

 自宅前を、川幅にして約10メートルの小さな川が流れています。
 両岸に土手があり、それぞれの住民が、住居前を草刈りすることになっています。先日、隣近所の分を含めて、草刈り機で70メートルほど、草刈りをしていました。

 目の前で、突然、大きなカルガモが1羽、「ガアー」と鳴いて飛び立ちます。

 びっくりして、何事かと近づくと、なんと草むらに鳥の巣があるではないですか。数にして、7~8個の白い卵があります。お母さんカモが、抱卵していたようです。

 草刈り機のエンジン音に驚いて、飛び立ったのでしょうが、草刈りをしていたこちらも、びっくりです。まさか、こんな住宅地の一画に、カルガモの巣があるとは…。
 その場で、すぐに草刈りをやめ、巣の周辺一帯を刈り残したまま、遠く離れた場所から草刈りを始めました。

 この川は、いつも静かに、ゆったりと流れ、川の中には多くの藻(も)が群生しています。鯉などの小魚も多いようで、時々、釣りを楽しむ親子を見かけます。

 ここは、カルガモたちにとって、生息しやすい環境のようです。
 今年は、例年になく春先から大きなカルガモたちを見かけます。よく6~7羽、列をなしてゆったりと泳ぎ、時々鳴いています。

 あれからカルガモの巣を見ていません。

 様子を見たいのは山々なのですが、家族から「絶対に近づかないように」と釘を刺されています。卵から無事かえり、ヒナたちが巣立ちを終え、カルガモの親子が川面を一列になって泳ぐ姿を、今から楽しみにしています。

 この日は、「父の日」の前日。
 思いがけず、天から素敵なプレゼントをいただきました。(O)

 

【花】百合(バンドーム)、バンダ、カーネーション(オレンジ)、グロリオーサ(ルテア)、ホワイトレースフラワー、【葉】オクラレルカ、レザーファン、ガマ

野菜づくり、対話の楽しみ

2020.06.17

【花】トルコききょう(紫)、カラー(ピンク)、なでしこ(ラフィーネ)、ププレリューム、ブバルディア(ピンク)、スモークツリー

 家庭菜園に、ハマっています。

 足腰が弱った母親から畑を引き継いで、今年で4年目。
 定年退職したとはいえ、まだサラリーマンの身。週末を利用して、テキストを片手に、野菜づくりを楽しんでいます。

 たかが野菜づくりかといわれそうですが、されど野菜づくり。
 いざやってみると、野菜づくりは結構奥が深く、思うようにいかないことが多いです。何といっても、自然が相手です。一年ごとに天候が変わります。移ろいやすい自然相手だからこそ、醍醐味があるのかもしれません。

 現在、3カ所ある畑に植えているのは、タマネギ、ジャガイモ、スナップエンドウ、小松菜、チンゲン菜、ほうれん草、にんじん、春ダイコン、サツマイモ、里芋、トマト、ミニトマト、なす、きゅうり、ピーマン、ミニごぼう、かぼちゃ、シシトウ、ニラなど。

 今年初めて、とうもろこしとモロヘイヤづくりを始めました。ミニかぼちゃの立体栽培と、里芋と生姜のミックス栽培にも、チャレンジしています。

 家庭菜園に興味のない方にとっては、「何が面白いのか」「もっとほかにすることがないのか」「年寄くさい」といわれそうです。

 確かにそうです。
 しかしながら、青空のもと、汗をかきながら土仕事をするのも、いいものです。
 近所の方は、ほとんどトラクタ-やティラーで畑を起こしています。こちらは、鍬(クワ)1本。クワだと時間がかかり、正直疲れます。でも、クワで起こしていると、畑の状態が手に取るようにわかります。畑の柔らかさや深さ、堆肥の入り具合はどうか、土壌分解に大切なミミズが増えているかどうかなど…。

 もちろん健康を考えて、無農薬にこだわっています。
 昨年の秋冬ダイコンや白菜は、悲惨な結果となりました。初めからネット掛けにしたにもかかわらず、「ダイコンハムシ」が大発生しました。近所のおばあちゃんたちは、さすがに農薬散布されたようですが、こちらは最後まで農薬を使用しませんでした。おかげで、見るも無残な姿となりました。それでも、自分で育てた野菜たち。きれいに洗って、食べられるところだけ、おいしくいただきました。

 いよいよ、きゅうりやなす、ピーマンなど、夏野菜の収穫が始まりました。毎日のように、新鮮な野菜が食卓に並んでいます。
 この頃、仕事帰りに、畑に通うのが楽しみとなっています。野菜たちの顔をみるのと、ほっと心が和みます。こまめに手を掛けた分、きちんと野菜たちは応えてくれます。

 これからも、野菜たちとの対話を楽しみたいと思っています(O)

【花』ひまわり(ゴッホ)、アストロメリア(レボリューション)、サンダーソニア、オンシジューム、キリフキ草、あわ(染)、【葉】ドラセラ、ヒバ

2回目の防火・防災訓練を実施しました。

2019.11.29

 

 

 

[花]ガーベラ(ブラッドレイ)、グズマニア(グランプリ)、オンシジューム、[葉]ドラセラ、丸葉ルスカス、[枝]赤目柳

 11月15日に、今年2回目の防火・防災訓練を実施しました。

  農協会館は、入居している15団体で自衛消防隊を編成しており、フロアー別に消火班や避難誘導班、連絡班などの役割分担を決めています。今回参加したのは、自衛消防隊員を中心とした15名です。

  今回の訓練は、約2時間にわたって行われ、AEDを使った救命講習や消火栓、消火器の操作方法などを学びました。

救命講習で、模範演技をする富山消防署の池水さん。

  初めに実施したのは、救命講習。
 講師をお願いしたのは、富山消防署救急課の池水真未さん。池水さんからご指導していただくのは、今回で3回目。

  参加者は2班に分かれ、呼吸の確認や胸骨圧迫、AEDの使い方などを、90分間にわたって研修。
 マネキンを相手に、「1、2、3、4………」と大きな声を出し、1分間に100回を目標にリズムを取りながら、胸骨圧迫やAEDの使い方などを実習しました。

  講習終了後、池水さんから参加者一人ひとりに「参加証」が渡されました。

  続いて、避難訓練。
 参加者全員で、研修場所である9階会議室から、普段はあまり利用しない西側階段を駆け降りて、外へ避難しました。

  最後は、消火栓と消火器を使った消火訓練。
 消火器や消火栓は、何気なく目にすることがあっても、実際、手に取って操作することは滅多にないものです。
 ㈱北陸綜合防災センターの担当者から、操作方法を聞いたあと、参加者2名が消火栓や消火器を操作し、自衛消防隊員として身につけるべき、基本的な動作を学びました。

  今回の訓練にあたり、富山消防署の池水さんと㈱北陸綜合防災センターの高堂さんに、大変お世話になりました。改めて、感謝申しあげます。(O)

マネキンを使って、救命講習をする参加者。


消火器を噴霧して、消火訓練をする女性職員。

 

山野草の夢

2017.04.28

 

[花]バラ(オークランド)、トルコききょう(レイナホワイト)、宿根スィートピー(ブルーフレグランス)、カンパニューラ(チャンピオンブルー)、[葉]利休草

 新緑が目にやさしい時節になりました。

 木々がいっせいに芽吹くこの時期。
 わが家の山野草も、小さな芽をつけ始めました。冬の間、細い幹と枝だけの冬枯れ状態で、どうなるものかと心配していましたが、春とともにしっかり芽吹いてきました。小さな鉢の土に隠れていた草花も、季節に合わせて、かわいい芽を出してくれます。
 手のひらに載るような、これら小さな鉢たちですが、ここにも生命の神秘を感じ取ることが出来ます。

 

 人にお見せするような、立派な盆栽を持っているわけではありません。
 どこの山にでも、自生していそうな山野草を育てているだけです。これらの花には、華やかさとは無縁で、自らの存在を自己主張するようなこともありません。ただ、小さな花をつけ、飾らない姿、そして素朴な風合いがあるだけです。
 素人の私にとって、どの山野草も初めて聞く名前ばかりです。山野草を入れている器も、素焼きの安物が中心です。

 

 手元にある山野草は、高岡おとぎの森公園で開催される山野草展で、買い求めたものがほとんどです。
 春になると毎年、山野草の開催案内のハガキが、自宅に届きます。月1回の割合で開催される展示即売会。毎回、出掛けることを楽しみにしています。スタッフの皆さんとも、すっかり顔なじみになり、気軽に声を掛けていただいています。
 買うといっても、せいぜい2~3鉢程度ですが、季節にあったものが並び、見ているだけで嬉しくなります。

 自宅にあるのは、岩ウチワ、タンゴ姫、アッツ桜ルビーの輝き、姫アッツ桜、濃赤アセビパッション、キヌタ草、赤花ハクチョウゲ、ハゼ、斑入クモマ草紅小町などです。(もしかして、名前が違っているかもしれません。)
 

 スタッフの方々からは、栽培方法を教えてもらったり、珍しい品種を紹介してもらったり、ちょっとしたアドバイスを受けています。
 正直いって、今は購入した山野草を育てるだけで精一杯です。水やりや肥料を欠かさずやっているつもりでも、なぜか半分ほど枯れてしまいます。

 

 わずかながら、自分の山林を所有しています。
 小さな希望ですが、いつの日にか自分の山から山野草を集めて来て、自分らしい山野草の鉢を育てることが、夢です。(O)

 PS.ゴールデンウィークは、1回お休みをいただきます。

美しい四季をうたう「はり絵」

2017.04.18

 

[花]ゆり(ソルボンヌ)、カラー(イエロー)、カーネーション(レオンサルモーネ)、スプレーカーネーション(コリン)、ホワイトレースフラワー、[枝]どうだんつつじ、[葉]モンステラ、サンデリアーナ

 はり絵画家・内田正泰さんの展覧会に行って来ました。

 以前から、内田正泰さんの作品をまとめた本は持っていましたが、本物のはり絵を観るのは、今回が初めて。 
 たまたま新聞で内田さんの展覧会が紹介されていて、会場の富山市民プラザと大和富山店に行って来ました。やはり熱心なファンが多いせいか、両会場とも多くの人で賑わっていました。

 内田さんの作品は、かなり前から知っていました。
 恥ずかしながら、はり絵だと知ったのは、ごく最近のことです。
 到底、はり絵とは思えない大胆な構図と明るく美しい色彩。作品を間近に鑑賞させていただき、改めて「はり絵」であることを、再確認した次第です。

 内田さんのはり絵は、とても不思議です。
 初めて観るはり絵なのに、以前からよく知っていたような錯覚に陥ります。一度も行ったことも、見たこともない場所や風景にもかかわらず、なぜかなつかしい郷愁を覚えます。
 幼い頃の四季折々の景色と、どこかダブります。そして、日本人なら誰もが抱いている、心の中の風景がみごとに表現されています。

 

 内田さんの「はり絵」は、一般的な「ちぎり絵」のように和紙を使いません。
 和紙だと破った輪郭が繊維でぼやけてしまい、色面と色面の形があいまいになりがちです。そのため、あえて和紙ではなく洋紙を使い、はさみやカッターもできるだけ使用しないようにし、あくまで「破る、ちぎる」にこだわっているそうです。
 驚くのは、きちんとした下絵を描かないこと。
 ほとんど即興で破った紙を張り込んでいくそうです。下絵の線に沿って張り込むやり方では、絵が生き生きとした生命のあるものにならないからだそうです。

 

 今年、内田正泰さんは94歳。
 ご高齢にもかかわらず、制作意欲はまったく衰えていません。いまだに心のふるさとを呼びさまし、ほっと安らぎを与えてくれる作品を作り続ける、その創作意欲。
 そして、衰えることがない内田さんのみずみずしい感性。

 

 当然ながら内田さんのような鋭い感性や豊かな感受性は、持ち合わせていません。
 しかしながら、美しいものをそのまま美しいと感じられる心、きれいなものをきれいと受け止められる感性は、失いたくありません。
 若い時は若いなりに、歳をとれば歳相応に、感性は変わっていくものと思います。
 自らの年輪を増すとともに、歳にふさわしい豊かな感性を身につけたいものです。
 そして、なることならば、目に見えないものだけではなく、目に見えない本質までも感じ取れる感性を身につけたいものです。(O)

小さなお客さん

2017.04.10

 

[花]ガーベラ(ローラ)、(サトリ)、(クッキーアンドクリーム)、サンダーソニア、ツィンキャンドル、ライスフラワー、[枝]アセビ、[葉]利休草

 8日、土曜日の夕方。突然、かわいいお客さんが訪ねてきました。
 迷子のワンちゃんです。

 車庫の中を掃除していたところ、隣のAさんが「○○さん、○○さん」と、急に私に話しかけて来ます。散歩の途中らしく、足元には元気いっぱいなペットのワンちゃんが……。そして、なぜか見たこともない黒色のワンちゃんも、近くで飛び跳ねています。
 Aさんいわく、「散歩していたら、知らない犬が付いてきて、どうしていいか困っています」。よく見ると、赤い首輪は付けていますが、なぜかリード(引き綱)がありません。

 

 やや小さめの黒色の柴犬か、豆柴だと思われます。
 見た感じ2~3歳ぐらいで、メス犬。余程、飼い主に可愛がられているのか、毛並みがサラサラで、とても人懐っこい犬です。嬉しそうに、じゃれています。まったく噛む素振りもなく、初めて会った私たちにも、親しげに尻尾を振っています。犬同士も、楽しげに遊んでいます。

 首輪だけ付いていて、リードが無いところをみると、どうも室内で飼われていたようです。何かの拍子に、家から飛び出してきたものと思われます。
 車が近づいてきても、まったく怖がる素振りがなく、むしろ近づこうとします。とりあえず、自宅にあったリードでつなぎました。
 このリードは、以前飼っていたわが家の柴犬、トーマスが使っていたものです。トーマスは、2年前に約18歳で亡くなりましたが、遺品として大切に残していたリードです。

 

 このワンちゃん。
 Aさんは毎日、朝晩ペットの散歩に出掛けられ、私もウォーキングの途中、さまざまなワンちゃんたちに会いますが、二人ともこのワンちゃんに心当たりがありません。

 だんだん辺りも暗くなってきます。
 飼い主の方も、きっと必死に探しておられるでしょうから、とりあえず近くの交番に届け出しようということになりました。

 買い物のため、たまたま玄関から出てきた娘も、このワンちゃんを見て大喜び。
 ちょうど、仕事から帰宅した家内も、かわいいお客さんに大はしゃぎ。二人とも、可愛がっていたトーマスのことを想い出しているようです。

 

 近くの交番へは、私が届けることになりました。
 知らない車に乗せられ、大丈夫かなと心配しましたが、何のその。後部座席の真ん中にちょこんと座り、あばれる素振りも吠える様子もありません。なぜか、慣れたものです。正直のところ、このワンちゃん。突然慣れない車に乗せられて、びっくりして粗相をしないかなーと心配していましたが、嬉しいことに杞憂に終わりました。

 

 交番には、3人の警察官がおられました。
 事情を説明している間も、ワンちゃんは交番内を自由に走り回り、お巡りさんたちに愛嬌を振りまいています。
 ワンちゃんは生きものですが、なぜか落とし物扱いとして「拾得物」になるそうです。ワンちゃんは手続き終了後、交番から警察署へと移され、3日間預かったのち、もし問い合わせがなかった場合は、保健所へ移されるとのこと。
 保健所では通常、一定の期間を過ぎると、最悪のことも考えられるが、これだけ人慣れしたワンちゃんなので、変な事にはならないのではと、説明を受けました。

 「たまたま記入する『一時預り書』の用紙が手元になく、別の交番から書類を持ってくるが、都合により午後9時以降になるので、改めてここへ来てもらいたい」とのこと。

 

 ワンちゃんとさよならして、帰宅。
 食事を終え、時間をおいて、再び9時過ぎに交番へ。
 残念ながら、もうワンちゃんはおらず、今のところ飼い主からの問い合わはないとのこと。
 用紙に記入し、警察官から「飼い主から見つかった場合、あなたの連絡先を教えてもいいか」と聞かれ、改めて飼い主からお礼を言われても面映ゆいので、ご遠慮しますと伝え、失礼しました。

 

 あれから、もう3日目。
 あのワンちゃんは、無事飼い主のもとに帰ることが出来たのでしょうか?
 いまだにあの愛くるしいドングリ眼が、まぶたに焼き付いています。
 きれいにブラッシングされた、柔らかな毛並みの感触が手元に残っています。
 何よりも、無邪気な甘えん坊のかわいい仕種が、たまらなく思い出されます。

 

 家族のなかで、しばしばあのワンちゃんのことが話題にのぼっています。
 ただいま家族揃って、軽いペットロス症候群にかかっています。(O)

年年歳歳花相似たり

2017.04.05

 

[花]ダリア(ラベンタースカイ)、シンピジューム(イエロー)、トルコききょう(ピンク)、スナップ(白)、[葉]ナルコラン

 すっかり春らしくなってきました。
 春の芽吹きを感じられる、この時期。
 春の到来に合わせて、ウォーキングを始めました。

 

 始めてわずか2週間余りですが、結構楽しくやっています。
 ウォーキングしている場所は、高岡西部総合公園野球場。別名、ボールパーク高岡です。
 一昨年、自宅近くに、このスタジアムが誕生しました。野球場や児童公園などがきれいに整備され、外周にはアンツーカーのジョキングコースが作られました。赤褐色の、1周わずか1.2キロのコースですが、足にかかる負担が少なく、気持ち良くウォーキングが出来ます。
 本来ならば、ジョキングをと言いたいところですが、喘息の持病持ちにとっては、軽い運動といえども辛い時があります。1日2回、喘息の薬を吸入器で吸入して、なんとか小康状態を保っている有様ですから……。

 

 毎朝、決まって午前6時からウォーキングをスタート。6時30分過ぎに帰ってきます。正確に測ってはいませんが、30分程度ですので、計2キロの距離でしょうか。
 たかがウォーキングですが、努めて速足で歩いていますので、初めの頃は足首の痛みに困りました。もちろん慣れた、今となっては大丈夫です。
 早朝、やや肌寒く感じられるこの頃ですが、家に着く頃には額にうっすらと汗が浮かび、気分は爽快そのもの。
 何といっても、朝食の美味しいことといったら……。

 以前から万歩計を身につけていますが、「1万歩」という数字は低いようで、意外と高いものです。ウォーキングを始めてからというもの、毎日、特に意識せずとも1万歩を軽くクリアしています。時には、2万歩を達成する日すらあります。

 最初、音楽を聴きながら、ウォーキングしていました。
 でも、もうすぐに止めました。
 自然に満ちあふれている、音を聴くためです。
 早朝から、さかんに野鳥がさえずっています。こんなにも多くの鳥がいたのかと、改めて驚かされています。江ざらいが終わった水路からは、静かなせせらぎが聞こえてきます。音にならない風の音も、心地よく感じられます。

 桜の開花には、もうしばらく掛かりそうですが、梅があちこちで満開となっています。庭先では、木蓮やすみれが咲き揃い、水仙が見事な花をつけています。
 道端では、名も知らない野草が、可憐な花を付けています。

 

 年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず
 (ねんねんさいさいはなあいにたり さいさいねんねんひとおなじからず)

  有名な禅語です。
 「毎年毎年、花は変わることなく咲く。 人の世の変わりやすいのに比べ、自然は変わらないことのたとえ」と、ネットにあります。

 

 

 ウォーキングを通じて、変わることなく続く自然のいとなみ、そして日々変化を見せる四季の移ろいを、体全体で受け止めていきたいと思います。(O)

[花]ラナンキュラス(コルマール)、スプレーデルフィニューム(ハッピーピンク)、スイートピー(ピンク)、ホワイトレースフラワー、[枝]こでまり、[葉]玉シダ

心に響くコンサート

2017.03.01

[花]トルコききょう(桜みちる)、スイートピー(ハッピー)(ティアラ)、菜の花、[葉]玉シダ、[枝]桃(ピンク)(白)、ミモザ

[花]トルコききょう(桜みちる)、スイートピー(ハッピー)(ティアラ)、菜の花、[葉]玉シダ、[枝]桃(ピンク)(白)、ミモザ

 先日、千住真理子さんのコンサートに行って来ました。
 千住真理子さんは、いうまでもなく日本を代表するヴァイオリニストの一人。そして、ご存知の方も多いと思いますが、千住さんのヴァイオリンは、幻の名器として名高いストラディヴァリウス「デュランティ」。
 砺波市文化会館で開かれたコンサート。千住真理子さんの演奏を聴くのは3回目ですが、今回も心洗われ、魂に響く演奏会となりました。

 プログラムは、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、クライスラーの「愛の悲しみ」、「愛の喜び」、エルガーの「愛のあいさつ」、リストの「愛の夢」など、どちらかというとオーソドックスな曲目。今回、嬉しかったことは、チェコの名門合奏団・スーク室内オーケストラとの共演だったこと。スーク室内オーケストラとは、過去に何度も共演されているとのことで、息もピッタリ。当然ながら、ソロやピアノ伴奏の演奏会とは異なり、音楽全体に幅や深みが出ていた気がします。

 演奏された曲目の中で、一番印象に残ったのはヴィターリの「シャコンヌ ト短調」。よく耳にする曲ですが、今回、弟の作曲家・千住明さんが、特別にスーク室内オーケストラとの共演用のために編曲されたそうで、味わい深い曲になっていました。

 千住真理子さんは、演奏の合い間に、曲紹介を兼ねて簡単なトークをされます。
 ともすると堅苦しくなりがちなクラシックコンサートですが、短いトークの中にも気さくな人柄がにじみ出ていて、なごやかな雰囲気が会場を包みます。

 千住真理子さんは、NHKの「ラジオ深夜便」にも、時々出演されます。
 「ミッドナイトトーク」という番組ですが、演奏会や執筆された多くの著書からも知ることができない、違った側面の千住真理子さんに触れることができ、楽しみにしています。

 最近、年間10数回、コンサートに行くようになりました。
 クラシックが中心ですが、気に入ればジャズなど、未知なジャンルにも足を運んでいます。
 不思議なものです。有名な音楽家のコンサートでも、期待外れの時があります。逆に、まったく期待していなかったにもかかわらず、思いがけず多くの恵みをいただいて帰ってくることもあります。

 これからも、琴線に触れる音を求めて、コンサートに通いたいと思っています。

 ヴァイオリニスト・諏訪内昌子さんのコンサートが、6月に高岡文化ホールであります。
 諏訪内さんの本は読んだことがありますが、演奏は一度も聴いたことありません。それだけに、今から楽しみにしています。(O)

小さな出会い

2017.02.20

おひな祭りです。[花]ラナンキュラス(黄)、デンファーレ(アンナ)、[葉]丸葉ルスカス、[枝]啓翁桜

おひな祭りです。[花]ラナンキュラス(黄)、デンファーレ(アンナ)、[葉]丸葉ルスカス、[枝]啓翁桜

 最近、ちょっと嬉しいことがありました
 画家・吉田博(ひろし)さんを知ったことです。

 先日、NHK・Eテレの「日曜美術館」で、初めてこの人の名前を知りました。
 それまで、吉田博さんの存在自体、まったく知りませんでした。美術品や工芸品に少し興味があり、時々見ている「日曜美術館」。吉田博さんの特集が、たまたま組まれていました。

 イギリスのダイアナ妃も、大変好きだったという吉田博さんの風景画。自室の壁に飾るほど、気に入っておられたとのこと。吉田博さんの絵画はどちらかというと、日本国内ではあまり評価されておらず、むしろ海外での知名度の方が高かったようです。

 ウィキペディアによると、吉田さんを「日本の洋画家、版画家。自然と写実そして詩情を重視した作風で、明治、大正、昭和にかけて風景画家の第一人者として活躍した」と紹介しています。

 もっと吉田さんのことが知りたくて、さっそく「吉田博 全木版画集」(阿部出版編集・発行)と安永幸一著「山と水の画家 吉田博」(弦書房)の2冊の本を買い求めました。

 
 以来、時々手元にある「吉田博 全木版画集」をながめています。
 もちろん、現物に勝るものはありません。それでも、画集を通して、詩情あふれる画風の一端を味わうことができます。テレビで紹介されていた代表的な風景画も、改めて画集で確認することができ、至福の時を味わっています。
 初めて知ったのですが、同じ木版画の原版を使いつつも、巧みに色彩や刷り方を変えることによって、朝、昼、夕方など、まるで趣の異なる風景画に仕上げることができます。
 これこそが、木版画ならではの神髄、真骨頂なのかもしれません。

 同じ絵画を見ていても、感じ方、受け止め方は当然、皆異なると思います。
 吉田博さんの木版画も同様で、私は少なからぬ感動を受け、今回の小さな出会いをとても嬉しく思っています。しかしながら、何も感じない方もおられるかも知れません。それはそれで良いと思います。受け止め方は、人さまざまですから…。

 つくづく自分が知っていることなど、ごく微々たるものだなーと思っています。
 それだけに、今回のような出会いは、とても新鮮に感じられ、素直に嬉しくなります。これからも、魂に響くような新しい邂逅(かいこう)を求めていきたいものです。本なり、音楽なり、美術工芸品なり、小さくともしっかりとアンテナを立て、自分なりの感性を大切にいきたいと思います。

 「生誕140年 吉田博展」が、4月29日から長野県の上田市立美術館で開催されます。自分の目で、吉田博さんの木版画を鑑賞できることを、今から楽しみにしています。(O)

[花]胡蝶蘭(白)、オンシジューム(ハニーエンジェル)、グロリオーサ(サザンウィンドゥ)、スイートピー(ステラ)、[葉]ドラセラ             (2月第3週分です。)

[花]胡蝶蘭(白)、オンシジューム(ハニーエンジェル)、グロリオーサ(サザンウィンドゥ)、スイートピー(ステラ)、[葉]ドラセラ             (2月第3週分です。)

 

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