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本間一夫さんの笑顔

2015.04.13

(花)アマリリス、アンスリューム、モカラ、スプレーカーネーション(葉物)ナルコラン、モンステラ、レザーファン

(花)アマリリス、アンスリューム、モカラ、スプレーカーネーション(葉物)ナルコラン、モンステラ、レザーファン

 一時期、点字を習っていました。
 20歳の頃だったと思います。

  朝日新聞の「点訳ボランティア養成コース、養成者募集」の記事が目に留まり、さっそく応募することに。募集人員は、約30名。毎回、多数の応募があるとのことで、申込用紙とともに受講希望を書いた作文も提出。選考の結果、何とか受講生に。

  点訳者とは、目の不自由な方のために、文章を点字に翻訳する人のこと。
 点字は、6つの点の組み合わせからなり、独特のルールにもとづき、点訳します。点訳者は、すべてのルールをマスターし、根気強く1点1点、紙に直接打って点訳します。
 現在は、「パソコン点訳」が開発され、目の不自由な方の要望にしたがい、以前よりは容易に点訳図書ができるようです。その当時は、すべてボランティアの手作業に頼らざるを得ない状況で、点訳本がかなり不足していたため、点訳奉仕者の養成が急務だったようです。

  養成講習の会場は、西新宿・高層ビルの一角にある朝日カルチャーセンター。講習会の初日に出席して、びっくり。受講生のほとんどが、女性。しかも、50代から60代が中心で、多くは時間的な余裕のありそうな方々ばっかり。

  講師は、本間一夫先生。
 この時は、本間一夫先生が日本で初めて点字図書館を創設した人で、視覚障害者のために大きな足跡を残された方であることは、全く知りませんでした。
 笑顔がとても素敵で、物腰が柔らかく、好々爺といった印象を受けました。
 講習は、週1回の半年コースだったと記憶しています。かなり通いましたが、恥ずかしながら途中で挫折し、修了書はもらえませんでした。それでも当時、点字で手紙らしきものを出していましたので、一定のレベルには達していたと思います。

  本間一夫さんの本が、岩波書店から出版されたのが昭和55年。
 「指と耳で読む-日本点字図書館と私」(岩波新書)と題された本。発刊とともに購入し、終読したことは覚えていますが、今回改めて再読しようと本棚を探しても見つかりません。
 残念ながら、書店にも並んでいませんでした。

  ネットで、本間一夫さんのことを確認すると、

 「昭和-平成時代の福祉活動家。5歳のとき失明。昭和15年自身の蔵書をもとに、日本初の点字図書館を東京にひらく。点字学習の指導や点訳者の育成につとめ、点字図書、テープ図書の貸し出し、盲人用生活器具の開発や普及につくす。87歳。北海道出身。関西学院大卒」とあります。

  いまだに、ふと本間一夫さんのことを想い出すことがあります。
 柔和そのものの笑顔が、とても懐かしく目に浮かびます。
 ただ、点訳ボランティアが中途半端に終わったことが、心に刺さった小さな棘(とげ)のように時々疼くことがあります。(O)

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