プランターによる野菜栽培
2014.11.11
今年初めて、プランターによる野菜栽培にチャレンジしました。
きっかけは、大平光代さんの著書「陽だまりの時間」(中公文庫)です。
もちろん、土地のない都会暮らしの人々が、マンションのベランダなどで、プランターを使ってキュウリやピーマン、トマトなど、野菜を栽培していることは知っています。
ただ、どう考えても豊かな土地がある富山では、プランター栽培は無縁と考えていました。
大平さんは、ダウン症の娘さん、悠(はるか)ちゃんのために、大阪から兵庫県の静かな山里に移り住んでおられます。少しでも新鮮でおいしい野菜を食卓に並べようと、自宅の庭で野菜栽培を始めますが、水はけがよくなったため、うまく育ちません。そこで、プランター栽培に切り替えたところ、ナスやキュウリ、ミニトマト、パプリカ、トウモロコシなど、数多くの野菜が収穫できているとのこと。
この本を読んだのは、5月の連休明け。
早速、ミニトマトやミディトマト、パセリ、シシトウ、とうがらし、ゴーヤ、オクラの苗を購入。母が畑で、キュウリやトマト、なす、ピーマンなど、夏野菜のほとんどを栽培しているため、敢えてマイナーな野菜でチャレンジすることにしました。
初めての体験でしたが、結果として、オクラ以外、すべて成功。ミニトマトとミディトマトは、7月上旬から10月中旬まで、驚くほど収穫できました。おかげで、家内が作ってくれる弁当に、これでもか、これでもかという程、毎日トマト君が登場。ゴーヤも、わずか4本しか植えなかったにもかかわらず、すくすく伸びて、軒下まで広がる立派なカーテンが誕生しました。よく「緑のカーテン」という言い方をしますが、私にも出来ました。ただ、ゴーヤの実が思ったより大きくならなかったことが、残念でした。
花も、プランターや鉢で20鉢ほど栽培しましたが、立派に咲き揃い、晩秋の今に至るまで、玄関先を豊かに飾ってくれています。4月中旬から現在まで、このように花々を楽しめることは、大変ありがたいことです。今年初めて植えた朝顔も、ゴーヤに負けないくらい、軒下までツルが伸び上がり、4種類の花をいつまでも楽しめました。
家人によると、今年はいつになく、庭先に小鳥やミツバチ、蝶の飛来が多かったそうです。
日々の水やりと適度な肥料の施肥。
ただ、これだけの繰り返しですが、毎日野菜と花の生育を見ていると、嬉しいもの。オクラやカスミソウのように、失敗したものもありますが、朝晩、少しずつ育っていくのを見るのは、やはり楽しいものです。
大平光代さんも、山里暮らしながら、庭でハーブを育て、料理に腕を振るい、子育てに真剣に向き合い、明るく生きておられます。かつては、弁護士として、また大阪市助役という多忙な中で生きていた大平さん。今は、子育てに奮闘中で、「野菜作りは子育てと一緒で、なかなか思うようにいかないけれど、少しずつ育っていくのを見るのはうれしいもの」と語っておられます。私たちが忘れがちな、「1日1日を丁寧に感謝して生きる」豊かさが、「陽だまりの時間」にあふれています。
来年も、自分なりに野菜づくりと花栽培を楽しみたいと思います。
それと、大平さんに教えていただいた「乾燥野菜」。今年は、残念ながら器具だけを購入し、全く手つかずに終わりましたので、来年こそチャレンジするつもりです。(O)