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新年あけまして、おめでとうございます。

2015.01.05

(花)胡蝶蘭、ゆり、ピンポン菊(実)千両(枝)大王松(葉物)レザーファン、銀柳

(花)胡蝶蘭、ゆり、ピンポン菊(実)千両(枝)大王松(葉物)レザーファン、銀柳

新年あけまして、おめでとうございます。

昨年は、9階をリニューアルし、新たに会議室を設けましたが、8階の貸ホール、貸会議室とともに、大変多くの方にご利用いただき、心から感謝しております。
新年を迎え、スタッフ一同、心新たに皆様に喜んでご利用いただけるよう一層努力していく所存ですので、貸ホール、貸会議室のご利用をよろしくお願い申し上げます。

 今年も、ありがたいことに多く方々から年賀状をいただきました。
自分もそうですが、版で押したように印刷されたものが多い中で、中には、干支にちなんだ木版画を30年以上送って下さる方、色鉛筆で素晴らしいイラストを描く方、見事な書道の腕前を見せてくださる方など、素敵な年賀状を送って下さる方もおられます。

 また、年賀状の隅に、ひと言近況を記して下さる人もおられます。
早期退職を迎えたこと、お孫さんの誕生や親の介護のこと、自らの健康上のことなど、内容は様々ですが、肉筆から滲み出てくるものがあります。私も、なるべく一筆書き添えるようにしています。

 中に1枚、気になる添え書きがありました。
「僕は、毎日が日曜日なので、年間百冊は超えます。まったくの乱読です。池波、吉村そして、向田邦子が多いかな」
この方は、確か70歳前後になられたはず。尊敬している方の一人です。

 実は私自身が、年間100冊の読破を目標としています。
昨年、その方への年賀状に、このことを記したのですが、見事に先を越されました。普段から、簡単な「読書ノート」なるものを付けていますが、改めて数え直してみると、昨年は67冊に終わりました。百冊は、週2冊ペースで十分達成できるのですが、遠く及びません。2月のように10冊読んだ月もあったのですが、不思議と波に乗れない月が出て来てしまいます。
決して、冊数にこだわるつもりはありません。冊数はあくまで終読した結果であり、目標ではないはず。しかしながら、怠慢な我が身には、目の前に少し数値目標があった方が良いようです。

 昨年、印象に残った本としては、細谷亮太著「いつもこどものかたわらに」(白水社)、神原一光著「辻井伸行 奇跡の音色」(文春文庫)、千住真理子著「歌って ヴァイオリンの詩2」(時事通信社)の3冊をあげたいと思います。

 ある本に、こんな言葉があります。

「もしひとが、自分は何かを知っていると思うなら、その人は、知らなければならないほどの事すら、まだ知っていない」

 本を読んでいると、つくづくこの言葉が身に沁みます。
本の世界に入ると、いかに自分が何にも知らないか、知らなければならない基本的なことすらも知らないかを、改めて思い知らされています。

 時々、読書とは未知の世界を地図無しで旅行することではないかと思う時があります。
手元には、地図が無いけれど、本の中にある標識や案内図に身をゆだねることにより、今まで全く知らない新たな世界に足を踏み込む事が出来る。思い掛けない方との出会いを経験し、そこからさらに新たな輪が広がる。まるで、静かな湖面に石を投げ込むと、水の輪が出来ることに似ています。水紋は、どんなに石が小さくても、必ず出来ます。さらに、その波形は、いつの間にか湖全体にまで広がりを見せることもあります。
この心の中の広がり、これがたまらないのです。

 今年の読書は、三上延著「ゼブリア古書堂の事件手帖6 栞子さんと巡るさだめ」(メディアワークス文庫)からスタートしました。三上延さんのゼブリア古書堂シリーズが大好きで、いつも新刊の発売とともに読んでいます。期待にたがわず、面白かったです。

果たして来年の今頃は、皆さんに100冊達成の報告が出来るでしょうか。(O)

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