「20年後、この集落は…」
2015.06.09
集落で、日帰りバス旅行に行ってきました。
周りから「雨男」という、ありがたくない「勲章」を頂戴しているこの身。
なぜか小生が中心となって何かを企画すると、いつも決まって雨。それも、半端ではないほどの悪天候になることも、しばしば……。
今回も、前日まで30度近い猛暑が続いていたにもかかわらず、旅行当日だけ、雨模様。不思議と、翌日からは素晴らしい晴天に…。
どうしてか、ピンポイントで雨が降ってきます。
ただ、この日に関しては、バスが出発する前に雨が上がり、終日快晴に。
むしろ、早朝まで降った雨のおかげで凌ぎやすく、頬にあたる風もさわやかで、最高の日和となりました。雨に洗われたせいか、新緑もいっそう鮮やかさを増し、青葉、若葉が目に沁みました。
私は現在、A市に住んでいますが、B市で生まれ育ち、今もB市で母が独り暮らしをしているため、週末や休日はほとんどB市へ帰っています。わずかながら田畑や山林があり、草刈りなど農作業をするためです。
バス旅行は、B市・集落の恒例行事で、2~3年に1度、近県に出掛けます。年齢順に幹事を務めることになっていて、今回は私が幹事役。福井県の一乗谷朝倉氏遺跡や東尋坊、月うさぎの里などを巡ってきました。
現在、集落の戸数は16軒。
中山間地にある、典型的な限界集落のひとつです。
最高18軒の時もありましたが、今は16軒に減り、うち2軒は空き家状態に。さらに14軒のうち、独り暮らしの家は2軒。
集落の若者は結婚すると、ほとんどが親元を離れてアパート暮らしをするため、いっそう高齢化が進みます。もうじき還暦を迎える私が、寄合い(よりあい)では、いつまで経っても下座に座っているのですから。
驚くべきことは、子供がいないこと。
赤ちゃんはもちろんのこと、幼稚園児、小学生、中学生、高校生も一人もいません。3年前に高校生が卒業した後は、未成年者はだれもいない状況です。
子供たちが走り回り、大きな歓声が聞こえていたのは、遥か彼方の夢物語となりました。
昼食時、ホテルで小宴会を催しましたが、ある人がこんなことを言っていました。
「20年後、間違いなく、この集落は無くなるぞ」
アルコールが入っていたとはいえ、集落では中堅的な人の発言です。
正直、ドキッとしました。
実際、地区全体を見渡すと、2つの集落が既に無くなっています。
営農組合も順調に機能し、青年報恩講や尼恩講、地蔵祭りなど、集落の活動も活発です。江さらいや農道草刈りなど、年に6回程度ある人足の参加率も高く、まとまりの良い集落だと思っています。
でも、人あっての集落です。
心配しても仕方がないのですが、20年後、本当にこの集落はどうなっているのかと、時々不安になります。(O)