小さな珍客
2016.08.10
玄関の庭先に、一匹の居候が居座っています。
トノサマカエルです。
「なんだ、カエルかー」と笑われそうですが、日ごとに気になる存在になっています。
わが家に来て、もう3週間余り。
というか、正確に言うと、このトノサマカエルの姿を見掛けてから、約3週間。
大きさは、9センチほどで、やや太め。茶と黒と白色の混ざったトノサマカエルです。
初めて、このカエルを見たのは、朝の水遣りの時。
連日、猛暑が続いている昨今。毎朝、6時過ぎからの水遣りが、すっかり日課となっています。一日でも水遣りを怠ると、花や野菜たちは、アッという間にしおれてしまいます。たかが水遣りですが、30鉢近くある草花に水を遣っていると、それなりに良い運動になります。
そういった中で、鉢の中に座っているトノサマカエルを見つけました。
水を掛けると逃げると思ったのですが、全く動く気配がありません。如雨露(じょうろ)から流れ落ちる水が気持ち良いのか、目を開けたまま、じっとしています。
されるがままにシャワーを浴びて、心なしか嬉しそうにすら見えます。
このトノサマカエル。
小さな庭の木陰や草花の下など、それなりに隠れ場所があるはずなのに、朝方は決まって鉢の中にいます。それも、なぜか山野草の鉢がお気に入りのようです。3種類の鉢の中に、日替わりで座っています。トノサマカエルに座られると、大切にしている山野草が重みで一部折れたりしますが、今回は目をつむっています。
なついているわけでもなく、愛嬌を振りまいてくれるわけでもありません。
それでも、いつの間にか、帰宅時には鉢の中を覗くようになっています。残念ながら夕方は、別のところにネグラがあるのでしょうか、あまり見掛けることはありません。
でも、朝になると、いつもの鉢にちょこんと座っています。
小さい頃は、カエルをよく捕まえて遊んでいました。さすがにヒキガエルは苦手ですが、小さなアマガエルなどはよく手にしていたものです。といって、嫌いな生きものではありませんが、特にカエルが好きというわけでもありません。
不思議なものです。
小さいながら、トノサマカエルの存在が気になりつつあります。
時々、なぜか朝にもいない日があります。
つい、どうしたのかと、心配になります。
どこへ行こうと、カエルの自由なのですが、何かあったのではと、気になります。
カエルに表情というものがあるのか知りませんが、最近、目がクリクリとしていて、可愛く見えてきました。心なしか背筋がピーンと伸びていて、凛凛しくさえ見えてきました。
この頃、小さな珍客に、もう少し長居してもらいたいと思い始めています。(O)
PS.来週は、1回お休みをいただきます。