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ある猛暑の2日間

2015.08.11

(花)ゆり、ひまわり(葉物)サンデリアーナ(枝)石化柳、花ナス

(花)ゆり、ひまわり(葉物)サンデリアーナ(枝)石化柳、花ナス

 連日、信じられないような猛暑が続いています。
 天気予報で「最高気温が32~33℃」と聞くと、つい「今日は凌ぎやすい」と喜んでしまう、この異常さ。果たして、いつまで記録的な暑さは続くのでしょうか?

  といいつつも、何気なく見上げた空に、秋の雲の代名詞である「いわし雲」が浮かんでいます。いつの間にか、夜半には秋の虫たちの合唱も始まっています。
 秋への誘いが、人知れず進んでいるようです。

 
 愛犬・トーマスが、天寿を全うしました。

 以前、このブログで紹介させてもらった、我が家の老犬。
 先日、17歳10カ月のいのちを静かに閉じていきました。
 人間でいうと、80歳代後半のお爺ちゃん。白内障が進み、臭覚が落ち、耳も遠くなっていました。食欲も徐々に落ち、市販のペットフードを受付けなくなり、何を食べさせるか、悩みの種となっていました。
 とにかく毎日、よく寝ていました。一日の大半が睡眠時間といっても、過言ではありません。最後まで楽しみにしていた、朝晩、1日2回の散歩以外は、ひたすら眠り続けていました。

 生涯最後となった散歩は、7日、金曜日の夕方。
 いつもの大好きな散歩コースを、ゆっくりゆっくり時間を掛けて歩きます。少し左側に傾きながら、小石につまずくこともあります。すべてをトーマスのペースに合わせ、傍らで介護するように付添いました。
 マーキングも、しっかりと最後まで続けていました。
 玄関前のわずか3段の外階段。さすがにこの段差は厳しく、自力で上がることが出来ず、抱えてやりました。

  翌、土曜日に急変し、日曜日に家族で精一杯の介護をしてやる中、静かに永眠しました。

  老犬とはいえ、2日前まで大きな変化はなく、あんなに元気だったのに。
 プライドがあったのでしょう、下の世話をあんなに嫌がっていた犬でしたが、わずか2日間とはいえ、家族にそのまま身を委ねてくれました。病変に戸惑いつつも、喜びそうなことを考えては、家族なりにしてやったつもりです。

  平日だったら、全員勤めに出ており、十分に介護することは出来なかったはず。
 誰もいない日中に急死していたら、まったく介護してやることが出来ず、家族に大きな悔いが残ったことと思います。

  とてもつらい2日間でしたが、今から思うと、寄り添う事ができ、幸せな2日間でもありました。
 曜日を選ぶことなど出来るはずもありませんが、結果として、最後にトーマスからもらった最高のプレゼントとなりました。

  約18年にもおよぶ、トーマスとの歩み。
 愛犬との出会い、もらった多くの喜びの日々、そして避けられない別れの時。
 生きとし生けるものには、必ず死を迎えます。
 言葉では理解しているつもりですが、今、言い知れぬ寂寥感と空虚さが募っています。

  夕方、ペット葬儀社から遺骨を受け取った帰りの車中。
 横の座席で、まだほのかに温もりが残っている骨壺を抱えながら、家人がぽつりといいます。
 「お父さん、もう犬を飼うのは止めましょう」と…。(O)

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