14メートルもある大獅子
2015.09.29
久し振りに獅子舞を舞いました。
現在住んでいる地域は、獅子舞が盛んで、大獅子が1頭、子獅子が2頭います。
秋祭りとして、毎年9月第3日曜日は、獅子舞の日に決まっています。
還暦間近で、しかも持病の腰痛持ちの小生が頼まれたのは、大獅子。俗にいう獅子舞は、ここでは「子獅子」を指します。激しい所作が求められる子獅子。残念ながら老体の我が身には、声が掛かるはずもありません。あんなに激しい動きには、もうついていけるはずもありませんから。
大獅子は1日だけ、子獅子2頭は2日間にわたって、全町内を舞います。
大獅子。
獅子頭(ししがしら)から、尾までの全長が14メートル。横幅が2.5メートル。文字どおり、大きな獅子です。この大獅子の中に、大人18名が入ります。頭(かしら)を操る人が1名。胴体部分で蚊帳(かや)を竹で持ち上げる人が、左右に8名ずつの計16名。尾を振る人が1名。
この大獅子のために、6町内から5名ずつ計30名の協力依頼があり、笛や太鼓の囃子方(はやしかた)や世話役を含め、総勢は約40名にも及びます。
小生も、40代前半まで大獅子に参加していましたが、歳とともに疎遠に。今回、たまたま町内で若手が揃わないとのことで、10数年ぶりに復帰することに。
「雨男」という有難くない名称を頂戴している我が身には珍しく、この日は見事なほどの日本晴れ。時折、さわやかな秋風も吹きよせる、絶好の日和となりました。
午前8時20分。獅子舞の装束である法被(はっぴ)や脚絆、足袋に身をつつみ、神社に集合。困ったのは、草履(ぞうり)。わら草履など、日頃履く機会があるはずもなく、自己流でなんとか履いて行きましたが、宮に着くなり、町内の人に笑われ、若い衆に縛り直してもらう羽目に。
午前9時。神主からお祓いを受け、獅子舞に魂を入れ、いよいよ出発。
回る戸数は、地域にあるすべての民家、会社、老人施設など、約250軒。1軒ごとに玄関先で、お囃子に合わせ、舞います。小生の役割は、蚊帳(かや)持ち。以前までは、獅子頭を持って舞うこともありましたが、かなり重い頭を勢いよく振り回す体力は、もうありません。慣れた若い衆ですら、連続で5軒も舞うと腕が上がらず、くたくたになるほどですから。頭を操る人は、順次7~8人で交代します。
お昼の休憩時間、45分をはさみ、大獅子が終了したのは、夕方5時少し前。
蚊帳を持ち上げつつ、お囃子に合わせて、足を交互に舞うだけですが、他の人と一度も交代することが無かったため、正直疲れました。若連中は、最後まで元気でしたが、我が身は、足も膝もガタガタ。何といっても、6~7時間歩き通しだったわけですから。
はじめは顔も知らなかった他の町内の人たちとも、丸1日も蚊帳の中に入っていると、いつの間にか連帯感が生まれました。
この大獅子。一時期、下火になりかけた時期もあったそうですが、今日まで地域住民に守られ、営々と古き伝統が受け継がれてきています。
町内会長に頼まれ、ピンチヒッターで参加した大獅子。
老体には堪えましたが、最高の秋晴れにも恵まれ、それなりに実りのある一日でした。
P.S.
ブログをアップする日が1日遅れ、申し訳ありませんでした。
「民芸」については、次回書かせていただきます。(O)