週末の「集落通い」
2016.01.13
新しい年がスタートして、早や10日余り。
正月気分も、すっかり抜け切ったという感じです。
先日、母が一人暮らしをしているA市で、集落の初寄り合いがありました。
中山間地に位置する、この集落。典型的な過疎地帯にあたり、現在の戸数は14軒。徐々に戸数が減少し、集落内の高齢化が進んでいます。
昨年、約2キロ離れた地に、振ってわいたように三井アウトレットパークが誕生しましたが、山あいの集落には無関係だったようです。
初寄り合いでは、新年度役員の決定、市役所への陳情事項や集落の問題などを話し合いました。わずかな戸数とはいえ、昔からの役回りだけはしっかり残っています。ほぼ全員が、何らかの形で役割分担することになります。役員といっても、主な役員はすでに順番が決まっており、余程の理由がない限り断ることはできません。
小生は、生産組合長になりました。任期は1年です。
会合での長老格は、80代前半の人。70代・60代が会議の中心となり、50代はヒヨコ扱いです。還暦間近の小生は、いつも定席の末席に座り、自由な雰囲気とはいえ、発言はなるべく控えています。
集落の20代、30代の多くの若者は、結婚とともに生家を離れます。アパート暮らしか、交通の便が良く住みやすい地で、新居を構えることが一般的となっています。世代交代しようにも、交代すべき若者が少なくなっているが実状です。
今年の話題の中心は、やはりイノシシ対策。
昨年も、秋の収穫時期に米にかなりの被害を受けました。以前から電気柵を広範囲にわたって設置してきたとはいえ、電気柵の無い場所にイノシシがうまく移動するため、イタチごっこの状態です。イノシシは多産系だそうで、相当数増えているようです。
現在、市役所に対し、新たに3か所に電気柵の設置を要望しており、一方では集落に初めてイノシシ捕獲用の檻(おり)が2基提供されることが決定したそうです。
はたしてイノシシを、何匹捕獲することが出来るものやら。
小さな集落とはいえ、昨年、地元神社の屋根瓦の一部葺き替え工事に約200万円掛かり、さらに森林組合の指導にもとづき、現在集落近くの山林に新しく林道を敷設中で、補助金を除く不足分について、集落に一定額の負担金が掛かることになっています。少ない戸数とはいえ、共同体として集落を守っていくためには、それなりに負うべきものが出てきます。
ただ、今後10年先、20年先の集落の将来を考えると、言葉がありません。
小生は現在、A市に隣接するB市に住んでいます。
2か所で住居を構え、ノロシを挙げている訳ですから、当然双方で固定資産税や保険など一定の負担がかかっています。それ以上に大変なのは、役割分担や各種行事の参加など、何かと土・日曜日、祝日の時間的な制約が増えていることです。
A市は、生まれ育った地であり、何よりも母が一人で元気に頑張ってくれています。先祖伝来のわずかな田畑を守ろうなどと、大上段に構えたことは考えていません。
しかしながら、集落では一応「若者」の部類に属しています。後継者が減少していく中にあって、B市から車で約20分余り離れていますが、当分週末の「集落通い」を続けるつもりです。(O)