街中で、すれ違う人
2016.01.19
以前、毎朝のように会う女性がいました。
いつも富山駅前の交差点あたりで、すれ違いざま会っていました。
昨年6月頃から、地下道に変えましたので、最近はもう会うことはなくなっています。
その女性の方は、ダウン症の人です。
20代前半くらいだったのでしょうか。いつもリュックを背負い、ちょこちょこと小幅で歩いていました。街中でダウン症の人を見かけると、なんとなく顔つきや体つきでわかります。ダウン症の人は、比較的年齢より若く見えますので、もう少し上だったのかもしれません。
「ダウン症」という言葉は、前から知っていました。
でも、初めて具体的に教えてもらったのは、正村公宏さんの著書「ダウン症の子をもって」(新潮社)でした。確か二十歳頃だったと思います。この本は現在、新潮文庫となり、本屋の書棚によく並んでいますが、読んだ時は単行本でした。
著名な経済学者で、当時専修大学の教授だった正村公宏さん。正村教授は、マスコミでもよく取り上げられ、経済に関する著書は、ゼミの学びの中でも結構利用させてもらいました。
このような正村教授に、ダウン症の子供さんがおられると知り、驚きました。本の内容は、ほとんど忘れましたが、正村教授がダウン症の子供さんを心から愛し、成長を楽しみにしながら、しっかり育てておられたことは覚えています。実に、いい本です。
ダウン症の子供さんを育てておられる方に、大平光代さんがおられます。
小生の読書ノートを繙いてみると、大平さんのこのような言葉が記してあります。
「ダウン症の母となって初めて、なにが自分にとって大切なものなのか、見えてきました。振り返ると、そこにある家族の笑顔、新緑を揺らす風、水面をはねる陽光、ゆったりと流れる日々の時間、季節の移ろい。昔は何も感じなかったことが、いまはどれも愛おしく思える」(引用本、不明)
大平さんのことは、以前にブログに書かせていただきましたので、もう触れません。
ただ、失礼ながら、日々大変なことがあると思いますが、何か余裕を持って子育てをしておられるように見えます。
街中を歩いていると、時々ダウン症の方に会います。
ダウン症の方は、心優しく、とても素直な方が多いと聞いています。
小生に何が出来るわけでもありませんが、いつも何かお役にたつことがあれば、と思いつつ歩いています。(O)