tel:076-445-2051
アクセス

新着情報

盗まれたソーラーバッテリー

2016.09.13

 

 

[花]シンピジューム(グリーン)、ピンクション(スーパーゴールド)、トルコききょう(セシルブルー)、[葉]ハラン(天の川)、木苺、[枝]雲竜柳

[花]シンピジューム(グリーン)、ピンクション(スーパーゴールド)、トルコききょう(セシルブルー)、[葉]ハラン(天の川)、木苺、[枝]雲竜柳

 何ともやるせない思いをしています。
 イノシシやシカなどがあちこちで出没し、被害が発生しているため、集落の各所に電気柵を設置していますが、先週ソーラーバッテリーが1台盗まれました。

 

 今年は小生、順番で生産組合長があたり、農業に関わる世話をさせてもらっています。イノシシ対策もその一つで、近年、年を重ねるごとにイノシシによる被害がひどくなり、集落あげて取り組んできただけに、今回はガックリです。
 実は昨年も、同じ場所でソーラーバッテリーが盗まれました。

 

 三井アウトレットパーク北陸に向かう国道沿いにある、山あいの圃場。
 国道8号線から直線距離にして、200メートルぐらいでしょうか。
 9月6日に、その地域一帯のコシヒカリの収穫を終え、7日にソーラーバッテリーが見つからないようにと、素人目にはわかりにくい橋のたもとに移し替えたにもかかわらず、7日夜から8日の朝型にかけて盗難にあいました。昨年の盗難の件があるだけに、対策を打ったつもりでしたが、ダメでした。
 しかもこの日は、夜半から朝までの間、かなり雨が降り続いていて、足場も相当悪かったはずなのに、やられました。

 

 なぜイノシシが水田に出るのか詳しくは知りませんが、収穫時期になると、活発に歩き廻ります。イノシシが水田に入り、倒れた稲はイノシシの臭いが付くため、通常の米として販売することは出来ません。春先から丹精込めて栽培してきた水稲が、収穫直前に商品価値を無くすわけです。
 それと困るのは、イノシシが水田の土手を鼻先や足などで壊すこと。
 あっという間に、土手を壊したうえに、時には大きな穴を開けていく時もあります。土手が壊れると、水管理が出来なくなるので、機械を使って修復する必要があります。

 

 イノシシ防止用電気柵は、集落全体で12カ所に設置してあります。集落にある水田のうち、90%近くを電気柵で守っていることになります。
 電気柵や電気コード、ソーラーバッテリー、電池式バッテリーなどは、基本的に地元市役所から貸与されます。被害の発生状況にもとづき、市に申請をあげ、認可された地域から順に支給されます。
 今年も、昨年新たに被害が発生した4カ所の電気柵セットと、捕獲用にと檻(おり)1基が支給され、集落の全員で設置しました。

 

 集落にあるソーラーバッテリー4基と電池式バッテリー8基のうちの、今回、ソーラーバッテリー1基が盗まれたわけです。電池式バッテリーは、1基に乾電池単1を6本入れますが、寿命があるため交換が必要です。集落では、乾電池代だけで年間約2万円を負担しています。
 犯人は、そんなことも知っていて、ソーラーバッテリーを盗んだものと思われます。ちなみに、このソーラーバッテリーは購入すると、約6万円するそうです。

 

 地元の駐在所に盗難届を出し、事情聴取や現場検証、写真撮りを終え、市農林課にも報告しました。後日、所定の書類を提出してもらいたいとのことです。
 昨年の盗難の際には、市から中古のソーラーバッテリーが代わりに支給されましたが、今回は同一地域で2回目ということもあり、「集落で対応して欲しい」とのことでした。

 

 集落では、昨年と同一犯人による犯行ではないか、と考えています。
 このような特殊なバッテリー。おそらく我々の集落と同様に、イノシシなど、鳥獣被害対策に困っている地域の人が盗んだものと思われます。被害状況をきちんと報告し、申請手続きをすれば、他人のものを盗まなくても、行政から電気柵など資材一式が届くはずなのに……。
 犯人は、自分の畑に使用するつもりだったのでしょうか?

 

 11日のうちに、ソーラーバッテリーを民家前に写し、電池式バッテリーを中山間地に移すなど、出来る範囲の対策を打ちました。本来ならイノシシの多い中山間地にこそ、電流の強いソーラーバッテリーを置きたいところなのですが…。

 

 台風被害や秋の長雨などの影響もなく、順調に収穫が進んでいます。今までは、秋の刈り入れが終了したら、農作業が無事終わったとホッとしたものです。

 ところが、現在は違います。
 圃場に稲がなくなっても、電気柵を設置してある所では、イノシシが入らないようにと電気線の下にある草を刈る必要があります。草が伸びて、電気線に触れると漏電して電気が流れなくなり、イノシシが圃場に入るからです。
 さすがに寒くなると草が伸びにくくなりますが、それでも集落では11月19日まで電気柵を維持することにしています。

 

 もうしばらく、イノシシとの格闘が続きます。
 それにしても、どうしてあのソーラーバッテリーが盗まれたのでしょうか……。
 なんとも、やり場の無い悶々とした思いをしています。(O)

 

防災の日、「シェイクアウトとやま」を実施しました。

2016.09.05

 

[花]りんどう(オータムピンク)、トルコききょう(オソピンク)、(ラビアージュ)、[葉]丸葉ユーカリ、ドラセナ(コーディーレッド)、(枝)七立栗

[花]りんどう(オータムピンク)、トルコききょう(オソピンク)、(ラビアージュ)、[葉]丸葉ユーカリ、ドラセナ(コーディーレッド)、(枝)七立栗

 9月1日は、「防災の日」。

 地震の発生を想定して、県民が一斉に安全確保の行動をとる防災訓練「シェイクアウトとやま」が、県内各地の学校や職場で行われ、農協会館も参加しました。

 「シェイクアウトとやま」とは、2008年にアメリカで始まり、地震発生時に身を守るための安全な行動を身につけるために実施されています。
 シェイクアウトは、参加者が1カ所に集まる訓練とは違い、それぞれの場所で「まず低く」、「頭を守り」、「動かない」という基本動作を取る訓練で、富山県内では防災の日に合わせて行われており、今年で3回目。

 農協会館では、午前10時に「地震が発生しました」と館内放送を流し、職員らが1分間、一斉に机などの下に身を隠し、「しゃがんで」、「隠れて」、「じっとして」の基本動作を行い、災害発生時に備えました。(O)

午前10時、地下1階の防災センターから「地震が発生しました」と館内放送をしました。

午前10時、地下1階の防災センターから「地震が発生しました」と館内放送をしました。

一斉に机の下に身を隠し、静かに支持を待つ職員。

一斉に机の下に身を隠し、静かに支持を待つ職員。

「たまちゃんのおつかい便」

2016.08.31

[花]ゆり(エマニー)、オンシジューム(ハニー)、カーネーション(マンダリン)、グロリオーサ(ビック)、[葉]ナルコラン(エクセレントフレア)、[枝]どうだんつつじ、ヒペリカム

[花]ゆり(エマニー)、オンシジューム(ハニー)、カーネーション(マンダリン)、グロリオーサ(ビック)、[葉]ナルコラン(エクセレントフレア)、[枝]どうだんつつじ、ヒペリカム

 作家・森沢明夫さんの本にハマっています。
 現在読んでいる本は、「たまちゃんのおつかい便」(実業之日本社)です。

 初めて森沢明夫さんの名前を知ったのは、映画「あなたへ」が上映された時。
 この映画は、ご承知のとおり、俳優・高倉健さんが最後に主演した映画で、モントリオール世界映画祭や日本アカデミー賞などで各賞を受賞しています。映画のロケ地として、富山刑務所が選ばれたことでも、話題を集めましたが、この映画の脚本のベースとなったのが、森沢明夫さんの小説「あなたへ」(幻冬舎文庫)です。

 森沢明夫さんの著書は、「津軽百年食堂」、「夏美のホタル」、「エミリの小さな包丁」、「癒し屋キリコの約束」、「ミーコの宝箱」など読ませてもらっていますが、印象に残っているのは、吉永小百合さんが主演女優を演じ、初めてプロデュースした「虹の岬の喫茶店」(幻冬舎文庫)と「大事なことほど小声でささやく」(同)の2冊です。

 「たまちゃんのおつかい便」は、本の紹介によると、
 「過疎化と高齢化が深刻な田舎町で『買い物弱者』を救うため、 大学を中退したたまちゃんは、移動販売の『おつかい便』をはじめる。 しかし、悩みやトラブルは尽きない。フィリピン人の義母・シャーリーンとのいさかい、 救いきれない独居老人、大切な人との別れ……。 それでも、誰かを応援し、誰かに支えられ、にっこり笑顔で進んでいく。 心があったまって、泣ける、お仕事成長小説。」とあります。

 
 この頃、「買い物弱者」という言葉をよく耳にします。
 かつて活気があった商店街が、いつの間にか「シャッター通り」となり、駅周辺にあった地元スーパーが郊外型の大型スーパーにとって代わられ、地域住民、特に高齢者が食料や生活用品を購入することが困難になりつつあります。
 特に過疎化や高齢化が進んでいる地域では、ひとり暮らしのため、車などの移動手段を持たない高齢者が増え、買い物に行きたくても行けない。足代わりとなるはずのバスも、本数が少なくて利用しづらいといった実態があるようです。

 「たまちゃんのおつかい便」の主人公・たまちゃんは、ひとり暮らしをしている祖母の実状を見て、買い物弱者を救おうと「移動販売車」を思い立ちます。20歳で大学を中退し、交通事故で亡くなった母親の保険金の一部を元手として、中古の保冷車付き軽四トラックを購入。ベテランからの見習い期間を経て、本格的にスタート。

 高齢者の徒歩圏内にある集会所、駐車場などに、細かく停車場所として設定。地域ごとに巡回する曜日と時間を決め、手づくりチラシを配ってPR。軽四トラックだけに、積めるアイテム数や量には限界があります。それでも、日々の買い物に困っている老人の要望に応えながら、生鮮品や日用品を買える機会と商品を選ぶ楽しみを提供し、徐々に地域に浸透していきます。

 決してもうかる仕事ではなく、採算ラインぎりぎりの移動販売。
 しかしながら、地域に欠かせない存在になり、たまちゃんはいつの間にか、じいちゃん、ばあちゃんから孫のように愛されていきます。
 ものを売る移動販売車というより、心を届ける販売車へと変わっていきます。

 そして、たまちゃんという、ひとりの女性をとおして描かれる、家族と取り巻く人々との人間模様。平凡な日々の積み重ねですが、その中にも心の機微がやさしく書かれています。

 いつものことながら、森沢明夫さんの本には心温まるものが常に流れています。

 「たまちゃんのおつかい便」は、400ページ余りの本。
 残り100ページ足らずとなりました。
 1ページ、1ページ大切に読んでいこうと思っています。(O)

8月25日に、消防・防災訓練を行いました。

2016.08.26

 農協会館の消防・防災訓練が、8月25日に行われました。

 農協会館は、消防法にもとづき、年2回の消防訓練と年1回の防災訓練が義務付けられています。そのため、9月1日の「防災の日」に合わせて、1回目の訓練を8月下旬に、また、秋の全国火災予防運動に合わせて、2回目の訓練を11月の中・下旬に実施しています。

 

 今回の訓練には、会館に入居している9団体から19名が参加。
 約2時間にわたって、AEDを使った救命講習や消火栓、消火器の操作方法などを学びました。

 

 

富山消防署の竹本さんの指導を受けながら救命講習を受ける参加者。

富山消防署の竹本さんの指導を受けながら救命講習を受ける参加者。

 初めに実施した訓練は、救命講習。約90分間の「救命入門コース」です。
 講師は、富山消防署救急課の竹本佳正さん。
 竹本さんは、「倒れている人を発見した場合、救急隊が到着までの間、どれだけ心肺蘇生を行ったかが、その後の生存率などに影響を及ぼす。富山市の場合、救急車の到着所要時間は、平均約7分間となっている。心停止などは、2~3分を経過するとダメージを受けることが多いため、救急隊が現場に着くまで、胸骨圧迫による心肺蘇生を最後まで続けてもらいたい」と、心肺蘇生の大切さを強調しました。

 
 参加者は男女2班に分かれ、呼吸の確認や胸骨圧迫、AEDの使い方などを研修。
 マネキンを相手に、「1、2、3、4………」と大きな声を出し、1分間に100回を目標としてリズムを取りながら、胸骨圧迫やAEDの使い方などを実習しました。
 講習終了後、竹本さんから参加者全員に「救命入門コース参加証」が渡されました。

 

 

避難訓練のため、9階から階段を使って真剣に駆け降りる参加者たち。

避難訓練のため、9階から階段を使って真剣に駆け降りる参加者たち。

 続いて、避難訓練。
 8階の喫煙室から火事が発生したとの想定で、富山消防署に通報する一方、参加者全員で研修場所の9階会議室から階段を使って、1階ロビーまで駆け降りました。避難先に到着するまでの所要時間は、2分20秒。今までの訓練の中で、最も早く避難することができました。

 

 最後は、消火栓と消火器を使った消火訓練。
 屋内消火栓は、館内に設置してあることを知っていても、直接手にする機会はなかなかありません。1階ロビーで、㈱北陸綜合防災センターの担当者から操作方法を聞いたあと、男性職員2名が大きな声を出して連携を取りながら、①消火栓を開ける②30メートルのホースを引き出す③開閉弁を開けるなど、一連の訓練を行いました。

 消火器についても、担当者から操作方法の説明を聞いたあと、6名がそれぞれ消火器を手に持ち、安全ピンをはずし、レバーを握りなから消火剤を噴霧して、使い方を確認しました。

 今回の訓練にあたり、富山消防署と㈱北陸綜合防災センターの方々に、大変お世話になりました。改めて、心から感謝申しあげます。(O)

 

車中雑感

2016.08.24

[花]トルコききょう(コサージュブルー)、モカラ(カリプソ)、日扇の実、[葉]モンステラ、ゴットセファナ、[枝]バンブー

[花]トルコききょう(コサージュブルー)、モカラ(カリプソ)、日扇の実、[葉]モンステラ、ゴットセファナ、[枝]バンブー

 毎日、あいの風とやま鉄道を利用して通勤しています。
 駅にして5駅。電車に乗っている時間は、ちょうど25分間。

 改札もない、屋根もない無人駅から電車に乗っています。乗車位置は、いつも決まって1両目、最後部のドア付近。乗るのは、通学・通勤時間帯だけに、ほとんどが高校生か社会人。定刻の電車に乗るので、顔ぶれはほぼいつも同じ。名前の分かる人は一人もいませんが、会わない日が続くと、「どうしたのかなー」とふと気になります。

 在来線にJR西日本が走っていた頃は、6両編成でした。
 第三セクターのあいの風とやま鉄道になってからは4両編成になり、車両自体もやや小さくなったため、混雑状況がひどくなりました。学生時代に四年間、東京の私鉄、東武東上線を利用していましたが、毎朝すし詰め状態で、四苦八苦しました。もちろん都会のラッシュアワーの比ではありませんが、ローカル線の割には混雑しています。JR西日本の時は、結構座れましたが、今は座るどころではありません。
 といっても、乗車時間はたかが25分程度ですから、立っていても…。

 車内はと見回すと、年齢や性別を問わず、最近では大半の人がスマホを見ています。
 「ガラケー」人間としては、やや違和感がありますが、今は完全にスマホ社会のようです。以前、サラリーマンといえば、日経新聞を開いていたものですが、新聞を手にしている人自体、あまり見掛けません。本を手にしている人も、かなり減った気がします。車中での読書を楽しみにしている一人としては、やや淋しい思いがあります。
 それでも、受験生なのでしょう。試験期間でもないのに、狭い車中で教科書やテキストに真剣に向き合っている高校生たちを見ると、頭が下がります。

 オリンピックの応援疲れなのでしょうか?
 静かな車内から、軽やかなイビキが聞こえてきます。離れていたため、どなたか分かりませんでしたが、余程疲れがたまっていたのでしょう。満員電車の中で、朝からイビキが聞こえてくると、場違いだけに微笑ましくなります。
 確かに連日のメダルラッシュで、最高に盛り上がった今回のオリンピック。早朝から日本人が大活躍する熱戦や感動的なシーンが続いたため、日本中が寝不足気味になったようです。

 ある夕方、車内で四人連れの親子を見掛けました。
 30代半ば過ぎのお母さんと、男の子3人の家族連れ。子どもたちは、7歳と4歳、そしてお母さんの腕に抱かれている子は4カ月ぐらいでしょうか?
 始発の富山駅から乗車し、空席があるにもかかわらず、この家族はドアの傍に立っています。会話の内容はわかりませんが、楽しそうな雰囲気がこちらまで伝わってきます。上の子供たちは、騒ぎ回るわけでもなく、大声を発するわけでもなく、静かに車窓を眺めています。
 ただ、それだけのことですが、この家族がその場にとてもマッチしているように感じられました。

 近くに席が開いているにもかかわらず、誰も座わろうとしません。お母さんの教育方針なのかもしれません。子供たちは、愚図るでもなく、不平不満を言うでもなく、当たり前のようにドア付近に立っています。お母さんも、乳呑児を抱いて疲れるだろうに、傍らにそっと立っておられます。
 そのお母さんの子供たちを見つめる眼差しのやさしいこと、そして表情の柔らかいこと。
 夕方になり、1日の疲れも出る時間帯のはずなのに、3人の手の掛かる子供を抱え、育児に大変だろうに、お母さんの顔からは慈愛に満ちたものが溢れていました。

 今の子供たちは、ゲーム機に興じ、車内では静かにしていることが多いようです。
 時々、電車に乗れたことが嬉しいのか、大声を出して通路を走り回り、親に叱られる子供たちを見ることがあります。何を怒っているのか、お母さんの苛立った声やイラだつ素振りを見掛けることもあります。

 それだけに、四人連れの親子から他の家族に感じられない、心地よい温かさが感じられました。
 さすがに高岡駅に着いたときには、一番上のお兄ちゃんを除いて、下の子とお母さんは近くの席に座られました。相変わらずその席から、楽しげで温かな雰囲気が伝わってきます。

 この家族が、最後どこまで乗車されたのか、わかりません。

 降車駅である無人駅に着きましたので、先に電車から降りましたが、なぜかこの家族に幸多かれと祈る思いにさせられました。(O)

小さな珍客

2016.08.10

[花]グロリオーサ(サザンウィンド)、トルコききょう(コサーシュスノー)、ひまわり(サンリッチオレンジ)、けいとう、[葉]アレカヤシ、ドラセナ(ピンクレディー)、(枝]雲竜柳

[花]グロリオーサ(サザンウィンド)、トルコききょう(コサーシュスノー)、ひまわり(サンリッチオレンジ)、けいとう、[葉]アレカヤシ、ドラセナ(ピンクレディー)、(枝]雲竜柳

 玄関の庭先に、一匹の居候が居座っています。
 トノサマカエルです。
 「なんだ、カエルかー」と笑われそうですが、日ごとに気になる存在になっています。

 わが家に来て、もう3週間余り。
 というか、正確に言うと、このトノサマカエルの姿を見掛けてから、約3週間。
 大きさは、9センチほどで、やや太め。茶と黒と白色の混ざったトノサマカエルです。

 初めて、このカエルを見たのは、朝の水遣りの時。
 連日、猛暑が続いている昨今。毎朝、6時過ぎからの水遣りが、すっかり日課となっています。一日でも水遣りを怠ると、花や野菜たちは、アッという間にしおれてしまいます。たかが水遣りですが、30鉢近くある草花に水を遣っていると、それなりに良い運動になります。
 そういった中で、鉢の中に座っているトノサマカエルを見つけました。

 水を掛けると逃げると思ったのですが、全く動く気配がありません。如雨露(じょうろ)から流れ落ちる水が気持ち良いのか、目を開けたまま、じっとしています。
 されるがままにシャワーを浴びて、心なしか嬉しそうにすら見えます。

 このトノサマカエル。
 小さな庭の木陰や草花の下など、それなりに隠れ場所があるはずなのに、朝方は決まって鉢の中にいます。それも、なぜか山野草の鉢がお気に入りのようです。3種類の鉢の中に、日替わりで座っています。トノサマカエルに座られると、大切にしている山野草が重みで一部折れたりしますが、今回は目をつむっています。

 なついているわけでもなく、愛嬌を振りまいてくれるわけでもありません。
 それでも、いつの間にか、帰宅時には鉢の中を覗くようになっています。残念ながら夕方は、別のところにネグラがあるのでしょうか、あまり見掛けることはありません。
 でも、朝になると、いつもの鉢にちょこんと座っています。

 小さい頃は、カエルをよく捕まえて遊んでいました。さすがにヒキガエルは苦手ですが、小さなアマガエルなどはよく手にしていたものです。といって、嫌いな生きものではありませんが、特にカエルが好きというわけでもありません。

 不思議なものです。
 小さいながら、トノサマカエルの存在が気になりつつあります。

 時々、なぜか朝にもいない日があります。
 つい、どうしたのかと、心配になります。
 どこへ行こうと、カエルの自由なのですが、何かあったのではと、気になります。

 カエルに表情というものがあるのか知りませんが、最近、目がクリクリとしていて、可愛く見えてきました。心なしか背筋がピーンと伸びていて、凛凛しくさえ見えてきました。

 この頃、小さな珍客に、もう少し長居してもらいたいと思い始めています。(O)

 PS.来週は、1回お休みをいただきます。

耐震工事、約81%終了しました。

2016.08.03

[花]ゆり(イエローウィン)、オンシジューム(ハニーエンジェル)、トルコききょう、[葉]タカノハススキ、モンステラ(斑入)、ドラセラ

[花]ゆり(イエローウィン)、オンシジューム(ハニーエンジェル)、トルコききょう、[葉]タカノハススキ、モンステラ(斑入)、ドラセラ

 7月27日、3階フロアーの耐震改修工事の完成検査が行われました。

 3階は、全農富山県本部の事務所や会議室などがありますが、工事期間中、事務所内部の3カ所に仮間仕切りを設置しました。仮間仕切りは、耐震ブレスを設置する箇所にパーテーションを立ち上げたもので、窓際から約4メートル、幅約5メートルの大きさです。
 そのため、事務所全体のレイアウト変更をしてもらいましたが、手狭になり、空調関係にも大きな影響が出るなど、大変ご迷惑をお掛けしました。

 3階の耐震工事は、昨年12月から始まり、7月の完成引渡しまでに8カ月間掛かったことになります。今回の工事により、3階フロアーには、耐震ブレス9台と耐震壁1台が新しく設置されました。

 会館全体の耐震工事は現在、2階と1階で進められています。

 2階フロアーは、耐震壁1台の新設、そして耐震ブレス9台の搬入と組立てがすべて終了し、今後はファンコイルの更新や化粧パネルの設置などを進め、11月上旬に完成する予定です。
 1階フロアーは、天井解体がすべて終了し、9月中旬から順次鉄骨ブレス6台の搬入、組立てを行い、工事終了は12月下旬を予定しています。

 3階フロアーの完成にともない、7月末現在、耐震工事の進捗率は約81%となりました。
 耐震改修工事は、計画どおり順調に進んでいます。(O)

クロマチックハーモニカ

2016.07.26

 

[花]カラー(フロレックスゴールド)、カーネーション(ゴーレム)、グロリオーサ、りんどう[枝]野ばら、木苺

[花]カラー(フロレックスゴールド)、カーネーション(ゴーレム)、グロリオーサ、りんどう[枝]野ばら、木苺

 先日、珍しいコンサートに行って来ました。
 ハーモニカのコンサートです。
 年間10回程度、クラシックを中心に様々なジャンルのコンサートに出掛けますが、ハーモニカの演奏会は生まれて初めて。

 南里沙クロマチックハーモニカコンサート。
 高岡文化ホールで開かれた、ワンコインコンサート。ランチタイムに約1時間、500円で一流アーティストの演奏を楽しめるというコンサートです。

 クロマチックハーモニカ奏者の南里沙(りさ)さん。
 3歳でピアノ、12歳でオーボエを始め、神戸女学院大学音楽科オーボエ専攻卒業。大学在学中にクロマチックハーモニカに出会い、音色に魅せられて研鑽を積む。国内・国際コンクールで数々の優勝を果たし、国内外の交響楽団とも共演。クロマチックハーモニカの美しい音色と、テクニックの高さ、音楽のジャンルを超越した活動で注目を集める、とあります。

 ハーモニカと聞くと、小学校の時、音楽の授業で習ったハーモニカのイメージしかありません。
 あのような楽器で、どのような演奏会になるのかと興味津々でしたが、南さんが使用した楽器はクロマチックハーモニカ。
 南さんによると、クロマチックとは「半音階」という意味で、クロマッチハーモニカは、たった16個の穴と横にあるレバーの操作だけで、4オクターブ+2音を出すことができ、ピアノの白鍵黒鍵の音がすべて鳴らせるとのこと。

 曲目は、「リベルタンゴ」「愛燦々」「ベガの涙」など、8曲。
 演歌、タンゴ、クラシックなど、幅広い年代層の方が楽しめるようにと、工夫した選曲となっていました。伴奏のギターリストの方とも、うまくマッチしていて、失礼ながら予想以上に楽しめたコンサートでした。
 心に残ったのは、「ガブリエルのオーボエ」とアンコール曲「上を向いて歩こう」の2曲。

 通常のコンサートの場合、チケットの売行き状況で、ある程度来場者数が見込めます。
 ワンコインコンサートだと、チケットを事前販売していないだけに、どれだけの来場者があるか、当日、開演してみないとわかりません。
 それだけに、南里沙さんも「大きなホールに、もし5~6人のお客様だけだったらどうしよう」と、開演直前まで心配されていたようですが、開演時にステージ上から多くの来場者を見てホッとした、と冒頭で語っておられました。

 そのようなこともあったためか、南里沙さんの熱のこもった演奏。そして、曲と曲の合い間にある軽妙で、楽しい語り口。これらが、うまくミックスし合って、アッという間の約1時間でした。

 
 ハーモニカという小さな楽器に、これだけの奥行きと深みが出せるのかと、正直驚かされました。
 今までまったく存在すら知らなかった、「クロマッチハーモニカ」という楽器。南里沙さんのおかげで、新たな分野を教えていただきました。

 ただ一方で、一つの音楽としての捉えた時、最後まで何か物足りなさを感じたことも事実です。

 オーボエ奏者からクロマチックハーモニカ奏者という、あえてマイナーな道を選んだ南里沙さん。今後、一層のご活躍を期待したいと思います。

 次回は、富山県での3回目コンサートとして、途中、休憩時間をはさむ通常のスタイルで、ゆっくりと聴かせてもらいたいです。(O)

渡辺和子さん

2016.07.20

[花]アンスリューム、トルコキキョウ、ユリ、オンシジューム(スイートシュガーベイビー)、[葉]オクラレルカ、キリフキ草、赤ドラセナ、ゴットセファナ

[花]アンスリューム、トルコキキョウ、ユリ、オンシジューム(スイートシュガーベイビー)、[葉]オクラレルカ、キリフキ草、赤ドラセナ、ゴットセファナ

 久し振りに渡辺和子さんの本を読みました。
 「強く、しなやかに  回想・渡辺和子」(山陽新聞社、渡辺和子編著)という本です。

 渡辺和子さんは、いうまでもなく200万部以上売れたという、あのベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」(幻冬舎)の著者です。この本は、多くの方に感銘を与え、実際手に取り、読まれた方も多いと思います。

 小生が初めて渡辺和子さんの著書を手にしたのは、学生時代のことです。もう40年も前のことになります。以来、渡辺和子さんの本が好きで、手に入る本はほとんどを読ませてもらったと思います。
 渡辺さんの数ある本の中で、一番好きな本は、「現代の忘れもの」(日本看護協会出版会)です。
 わずか100ページ足らずの薄い本ですが、心に残る本です。今までに何回読んだことか…。節目あるたびに、なぜか繙(ひもと)く本の一冊となっています。昨年、一部の文章が追加され、新装版が出版されましたが、やはり以前の古いデザインの方に親しみを覚えます。

 
 一度だけ、渡辺和子さんの講演を聞いたことがあります。
 東京のJR四ツ谷駅前にある、聖イグナチオ教会で開かれた講演会の時です。今からかれこれ30年前のことでしょうか。上智大学に隣接している聖イグナチオ教会。都内では、カトリック信者でなくとも知っている人が多い、有名な教会で、現在は円形のモダンな建物に建て替えられていますが、その当時は風格を備えた重厚な教会でした。

 たまたまポスターで、渡辺和子さんの講演会のことを知り、どうしても渡辺さんの肉声が聞きたくて、聖イグナチオ教会に出掛けました。土曜日の午後、早めに着きましたので前の方に座れましたが、講演が始まる頃には、かなり大きな聖堂でしたが、すべての椅子が埋め尽くされ、立見も出るほどでした。

 訥々と静かな語り口で話す渡辺和子さん。平易な言葉で語られる内容は、自らの体験にもとづくもので、重みがあり、素晴らしいものでした。当然、本の内容と重複する部分がありますが、改めてご本人の口を通してお聞きすると、沁みわたるように心に響きました。
 清楚な中にも、内に秘められた強さのようなものを感じたことを覚えています。

 今回読んだ「強く、しなやかに」は、今までの著書とはひとあじ違った味わいを持った本でした。

 この本は、岡山県で発行されている山陽新聞の朝刊に、2015年2月26日から63回にわたって、連載されたものをまとめたものです。2月26日といえば、昭和11年に二・二六事件が起きた日。この日、「陸軍教育総監の要職にあった父を持つ当時9歳だった渡辺さんは、自宅を襲われ、眼前で最愛の父を失いました。」(284P)
 この連載は、始まるともに大きな話題を集め、「近年、これほど反響が大きかった新聞連載はなかったといえるでしょう。」(同P)と、山陽新聞社の編集局長が本のあとがきに記しています。

 三浦綾子さん、神谷美恵子さん、鈴木秀子さん、そして渡辺和子さん。
 女性の作家で、今まで色々な意味で影響を受けてきたのは、この4氏の方です。すでに召天された方もおられますが、手元にある著書を通して、今も語りかけてもらっています。

 最後に、「強く、しなやかに」の中で、心に残った渡辺和子さんの言葉を紹介させてもらいます。(O)

 「でもね、つまずいたからこそ今がある。発想を転換すれば、今日が私にとっては一番若い日。今日より若くなることはないのだから、今日を輝いて生きていきたい。いつもそう思って過ごしています」(191P)

 「人生には思いがけない失敗や病気などでぽっかり穴が開く時があります。その時に嘆いたり、悲しんだり、後悔したりするのは人の常ですが、穴が開いたからこそ見えてくるものがあるはずです。自分にとって何のために開いた穴なのか。発想を変えてそれを考えるようにしたらどうでしょう」(192P)

「アンノーという人」

2016.07.12

[花]デンファーレ(ソニア)、トルコききょう(ボヤージュグリーン)、てまり草、[葉]サンデリアーナ(ビクトリー)、[枝]木苺

[花]デンファーレ(ソニア)、トルコききょう(ボヤージュグリーン)、てまり草、[葉]サンデリアーナ(ビクトリー)、[枝]木苺

 画家・安野光雅(あんの みつまさ)さんの展覧会に行ってきました。

 「御所の花」と銘打って、福光美術館で開かれている安野光雅展。
 安野さんの卒寿(90歳)を記念して開催されているもので、天皇・皇后両陛下のお住まいである皇居吹上御所の庭に咲く花々を描いた水彩画、130点が展示されていました。

 安野光雅さんの名前を初めて知ったのは、高峰秀子さんの本。
 大女優として有名な高峰秀子さん。エッセイストとしても著名で、「好きなエッセイストを誰か一人」と聞かれれば、迷うことなく高峰秀子さんを挙げます。リズム感があり、キレのある文章。みごとなまでに剃(そ)ぎ落とされた文体は、高峰秀子さんの生き様そのものを表しているようです。

 高峰秀子さんの著書に、「おいしい人間」(文春文庫)という本があります。
 この本に、「アンノーという人」という一文が掲載されていますが、この「アンノー」こそが、まさに安野光雅さん。

 「アンノでーす」と、ズバリ言わせてもらうなら背広を着た熊の子みたいなオッチャンが現れたのにはビックリした。ヘアスタイルは現在(いま)ほどひどくなく、モジャモジャの『モジャ』くらいだが、上衣のボタンが1個かけちがっていて、ネクタイがひん曲がっている。私は自己紹介もそこそこに、思わず駆け寄って上衣のボタンを外してネクタイを直した。

…中略…

 その対談がキッカケとなって、熊の子と、古狸のような私の、マンガチックな交流がはじまった。」(「おいしい人間」文春文庫、127~128P)

 
 NHKのビデオ撮りの際に、初めて安野光雅さんに会った時のことを、高峰秀子さんは、ユーモラスに楽しく本に記しています。

 確かに高峰秀子さんの本には、良き親友としてたびたび安野光雅さんが登場し、安野さんの詩情あふれる柔らかな画が、高峰秀子さんの数多くの著書の装丁や挿絵として描かれています。

 以来、安野光雅さんは何となく心にかかる存在となっていました。それだけに、近くで安野光雅展が開催されていることを知った時は、驚きました。

 山あいの、豊かな自然に囲まれている福光美術館。
   日曜日の夕方、閉館時間近くに訪ねたせいか、鑑賞する人はまばら。

 春から夏へ、夏から秋へ、そして秋から冬へと、四季の草花を丁寧に描かれた絵画。大都会・東京にある皇居に、いまだにこのような豊かな自然が残されているのかと、驚かされました。描かれているのは、華麗な花々というよりは、山野草に近い素朴な草木ばかり。
 原色や派手な色をほとんど使わずに、淡い色調の水彩画が並んでいます。細部まで書き込まれ、落ち着いた雰囲気が画全体に満ちています。

 展示物がすべて水彩画というのも、初めての体験でしたが、十分に楽しめました。
 一度もお会いしたこともなく、数多くある著書を読んだこともありませんが、安野光雅さんの飾らない優しい人柄にそっと触れた気がしました。
 敬愛する高峰秀子さんと、生涯良き友だったのも頷ける気がしました。(O)

カテゴリ

Page Top