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美しい四季をうたう「はり絵」

2017.04.18

 

[花]ゆり(ソルボンヌ)、カラー(イエロー)、カーネーション(レオンサルモーネ)、スプレーカーネーション(コリン)、ホワイトレースフラワー、[枝]どうだんつつじ、[葉]モンステラ、サンデリアーナ

 はり絵画家・内田正泰さんの展覧会に行って来ました。

 以前から、内田正泰さんの作品をまとめた本は持っていましたが、本物のはり絵を観るのは、今回が初めて。 
 たまたま新聞で内田さんの展覧会が紹介されていて、会場の富山市民プラザと大和富山店に行って来ました。やはり熱心なファンが多いせいか、両会場とも多くの人で賑わっていました。

 内田さんの作品は、かなり前から知っていました。
 恥ずかしながら、はり絵だと知ったのは、ごく最近のことです。
 到底、はり絵とは思えない大胆な構図と明るく美しい色彩。作品を間近に鑑賞させていただき、改めて「はり絵」であることを、再確認した次第です。

 内田さんのはり絵は、とても不思議です。
 初めて観るはり絵なのに、以前からよく知っていたような錯覚に陥ります。一度も行ったことも、見たこともない場所や風景にもかかわらず、なぜかなつかしい郷愁を覚えます。
 幼い頃の四季折々の景色と、どこかダブります。そして、日本人なら誰もが抱いている、心の中の風景がみごとに表現されています。

 

 内田さんの「はり絵」は、一般的な「ちぎり絵」のように和紙を使いません。
 和紙だと破った輪郭が繊維でぼやけてしまい、色面と色面の形があいまいになりがちです。そのため、あえて和紙ではなく洋紙を使い、はさみやカッターもできるだけ使用しないようにし、あくまで「破る、ちぎる」にこだわっているそうです。
 驚くのは、きちんとした下絵を描かないこと。
 ほとんど即興で破った紙を張り込んでいくそうです。下絵の線に沿って張り込むやり方では、絵が生き生きとした生命のあるものにならないからだそうです。

 

 今年、内田正泰さんは94歳。
 ご高齢にもかかわらず、制作意欲はまったく衰えていません。いまだに心のふるさとを呼びさまし、ほっと安らぎを与えてくれる作品を作り続ける、その創作意欲。
 そして、衰えることがない内田さんのみずみずしい感性。

 

 当然ながら内田さんのような鋭い感性や豊かな感受性は、持ち合わせていません。
 しかしながら、美しいものをそのまま美しいと感じられる心、きれいなものをきれいと受け止められる感性は、失いたくありません。
 若い時は若いなりに、歳をとれば歳相応に、感性は変わっていくものと思います。
 自らの年輪を増すとともに、歳にふさわしい豊かな感性を身につけたいものです。
 そして、なることならば、目に見えないものだけではなく、目に見えない本質までも感じ取れる感性を身につけたいものです。(O)

小さなお客さん

2017.04.10

 

[花]ガーベラ(ローラ)、(サトリ)、(クッキーアンドクリーム)、サンダーソニア、ツィンキャンドル、ライスフラワー、[枝]アセビ、[葉]利休草

 8日、土曜日の夕方。突然、かわいいお客さんが訪ねてきました。
 迷子のワンちゃんです。

 車庫の中を掃除していたところ、隣のAさんが「○○さん、○○さん」と、急に私に話しかけて来ます。散歩の途中らしく、足元には元気いっぱいなペットのワンちゃんが……。そして、なぜか見たこともない黒色のワンちゃんも、近くで飛び跳ねています。
 Aさんいわく、「散歩していたら、知らない犬が付いてきて、どうしていいか困っています」。よく見ると、赤い首輪は付けていますが、なぜかリード(引き綱)がありません。

 

 やや小さめの黒色の柴犬か、豆柴だと思われます。
 見た感じ2~3歳ぐらいで、メス犬。余程、飼い主に可愛がられているのか、毛並みがサラサラで、とても人懐っこい犬です。嬉しそうに、じゃれています。まったく噛む素振りもなく、初めて会った私たちにも、親しげに尻尾を振っています。犬同士も、楽しげに遊んでいます。

 首輪だけ付いていて、リードが無いところをみると、どうも室内で飼われていたようです。何かの拍子に、家から飛び出してきたものと思われます。
 車が近づいてきても、まったく怖がる素振りがなく、むしろ近づこうとします。とりあえず、自宅にあったリードでつなぎました。
 このリードは、以前飼っていたわが家の柴犬、トーマスが使っていたものです。トーマスは、2年前に約18歳で亡くなりましたが、遺品として大切に残していたリードです。

 

 このワンちゃん。
 Aさんは毎日、朝晩ペットの散歩に出掛けられ、私もウォーキングの途中、さまざまなワンちゃんたちに会いますが、二人ともこのワンちゃんに心当たりがありません。

 だんだん辺りも暗くなってきます。
 飼い主の方も、きっと必死に探しておられるでしょうから、とりあえず近くの交番に届け出しようということになりました。

 買い物のため、たまたま玄関から出てきた娘も、このワンちゃんを見て大喜び。
 ちょうど、仕事から帰宅した家内も、かわいいお客さんに大はしゃぎ。二人とも、可愛がっていたトーマスのことを想い出しているようです。

 

 近くの交番へは、私が届けることになりました。
 知らない車に乗せられ、大丈夫かなと心配しましたが、何のその。後部座席の真ん中にちょこんと座り、あばれる素振りも吠える様子もありません。なぜか、慣れたものです。正直のところ、このワンちゃん。突然慣れない車に乗せられて、びっくりして粗相をしないかなーと心配していましたが、嬉しいことに杞憂に終わりました。

 

 交番には、3人の警察官がおられました。
 事情を説明している間も、ワンちゃんは交番内を自由に走り回り、お巡りさんたちに愛嬌を振りまいています。
 ワンちゃんは生きものですが、なぜか落とし物扱いとして「拾得物」になるそうです。ワンちゃんは手続き終了後、交番から警察署へと移され、3日間預かったのち、もし問い合わせがなかった場合は、保健所へ移されるとのこと。
 保健所では通常、一定の期間を過ぎると、最悪のことも考えられるが、これだけ人慣れしたワンちゃんなので、変な事にはならないのではと、説明を受けました。

 「たまたま記入する『一時預り書』の用紙が手元になく、別の交番から書類を持ってくるが、都合により午後9時以降になるので、改めてここへ来てもらいたい」とのこと。

 

 ワンちゃんとさよならして、帰宅。
 食事を終え、時間をおいて、再び9時過ぎに交番へ。
 残念ながら、もうワンちゃんはおらず、今のところ飼い主からの問い合わはないとのこと。
 用紙に記入し、警察官から「飼い主から見つかった場合、あなたの連絡先を教えてもいいか」と聞かれ、改めて飼い主からお礼を言われても面映ゆいので、ご遠慮しますと伝え、失礼しました。

 

 あれから、もう3日目。
 あのワンちゃんは、無事飼い主のもとに帰ることが出来たのでしょうか?
 いまだにあの愛くるしいドングリ眼が、まぶたに焼き付いています。
 きれいにブラッシングされた、柔らかな毛並みの感触が手元に残っています。
 何よりも、無邪気な甘えん坊のかわいい仕種が、たまらなく思い出されます。

 

 家族のなかで、しばしばあのワンちゃんのことが話題にのぼっています。
 ただいま家族揃って、軽いペットロス症候群にかかっています。(O)

年年歳歳花相似たり

2017.04.05

 

[花]ダリア(ラベンタースカイ)、シンピジューム(イエロー)、トルコききょう(ピンク)、スナップ(白)、[葉]ナルコラン

 すっかり春らしくなってきました。
 春の芽吹きを感じられる、この時期。
 春の到来に合わせて、ウォーキングを始めました。

 

 始めてわずか2週間余りですが、結構楽しくやっています。
 ウォーキングしている場所は、高岡西部総合公園野球場。別名、ボールパーク高岡です。
 一昨年、自宅近くに、このスタジアムが誕生しました。野球場や児童公園などがきれいに整備され、外周にはアンツーカーのジョキングコースが作られました。赤褐色の、1周わずか1.2キロのコースですが、足にかかる負担が少なく、気持ち良くウォーキングが出来ます。
 本来ならば、ジョキングをと言いたいところですが、喘息の持病持ちにとっては、軽い運動といえども辛い時があります。1日2回、喘息の薬を吸入器で吸入して、なんとか小康状態を保っている有様ですから……。

 

 毎朝、決まって午前6時からウォーキングをスタート。6時30分過ぎに帰ってきます。正確に測ってはいませんが、30分程度ですので、計2キロの距離でしょうか。
 たかがウォーキングですが、努めて速足で歩いていますので、初めの頃は足首の痛みに困りました。もちろん慣れた、今となっては大丈夫です。
 早朝、やや肌寒く感じられるこの頃ですが、家に着く頃には額にうっすらと汗が浮かび、気分は爽快そのもの。
 何といっても、朝食の美味しいことといったら……。

 以前から万歩計を身につけていますが、「1万歩」という数字は低いようで、意外と高いものです。ウォーキングを始めてからというもの、毎日、特に意識せずとも1万歩を軽くクリアしています。時には、2万歩を達成する日すらあります。

 最初、音楽を聴きながら、ウォーキングしていました。
 でも、もうすぐに止めました。
 自然に満ちあふれている、音を聴くためです。
 早朝から、さかんに野鳥がさえずっています。こんなにも多くの鳥がいたのかと、改めて驚かされています。江ざらいが終わった水路からは、静かなせせらぎが聞こえてきます。音にならない風の音も、心地よく感じられます。

 桜の開花には、もうしばらく掛かりそうですが、梅があちこちで満開となっています。庭先では、木蓮やすみれが咲き揃い、水仙が見事な花をつけています。
 道端では、名も知らない野草が、可憐な花を付けています。

 

 年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず
 (ねんねんさいさいはなあいにたり さいさいねんねんひとおなじからず)

  有名な禅語です。
 「毎年毎年、花は変わることなく咲く。 人の世の変わりやすいのに比べ、自然は変わらないことのたとえ」と、ネットにあります。

 

 

 ウォーキングを通じて、変わることなく続く自然のいとなみ、そして日々変化を見せる四季の移ろいを、体全体で受け止めていきたいと思います。(O)

[花]ラナンキュラス(コルマール)、スプレーデルフィニューム(ハッピーピンク)、スイートピー(ピンク)、ホワイトレースフラワー、[枝]こでまり、[葉]玉シダ

大型看板を新しくリニューアルしました。

2017.03.23

 

[花]ダリア(サフラン)、ガーベラ(ファンタ)、ガーベラ(サンバー)、フリージア(アラジン)、スイートピー(ハッピー)、[葉]ゴットセファナ

 農協会館前にある大型看板がこのほど、新しくリニューアルしました。

 国道41号線に面して、駐車場の一画に設置してある自立型の大きな看板。
 歩道からも国道からもよく目立つ場所に設置してあり、いわば「農協会館の顔」ともいえる存在になっています。

 この看板は、平成4年3月に新しく設置されたものですが、約25年間が経過し、経年劣化による傷みがひどくなっていました。

 

 改修工事は3月20日、ほぼ一日掛けて行われ、高所作業車を使いながら、薬剤を使って一度すべてのシールをはがした後、新しいシールが丁寧に付けられました。

 

 新しく出来上がった大型看板。
 心なしかステンレスが、以前よりひときわ輝いて見えます。
 皆さんも改めて、新しくリニューアルした大型看板を注意してご覧になってください。(O)

約25年が経過し、傷みが目立つ大型看板。


3月20日に、新しく綺麗にリニューアルなった大型看板。

ホームページをリニューアルしました。

2017.03.18

 取込ファイル

[花]ゆり(シグナム)、トルコききょう(レイナホワイト)、アルストロメリア(パーティー)、モルセラ、[葉]コンシンネ、ゴットセファナ

 ホームページを、一部リニューアルしました。

 今回の変更は、トップページのスライドショーや各ページの写真のリニューアル、見出しや文字、背景色の変更などが、主だったものです。
 トップページは、スライド式にしていますが、年4回、季節の変わり目ごとに差し替えています。
 大変ありがたいことに、北陸新幹線が開通してからというもの、県外のお客様からの貸会議室や貸ホールに関するお問い合わせや、ご利用が増えています。

 そういった県外の皆様に、豊かな自然や清らかな水に恵まれた富山県、そしておいしい米や新鮮な野菜などが多く生産される冨山県農業の素晴らしさを、もっと知っていただきたいと、今回、一部リニューアルしたものです。

 県内のJAでは、子供たちに農業に親しんでもらいたいと、「食農教育」を進めています。これは、将来をになう子供たちに、食を支えている農業そのものに触れ、自ら汗を流し、収穫したものを料理し味わうことにより、もっと農業を深く知ってもらおうとするもので、「米づくり体験」「野菜収穫体験」「親子料理教室」など、さまざまな取組みが行われています。

 

 今回、ホームページに使用した農業に関する写真は、すべてJAうおづ・組合員課からお借りしました。
 快く承諾してくださり、全面的にご協力いただいたことを、改めて感謝申しあげます。

 リニューアルしたホームページの印象は、いかがでしょうか?
 これからも、明るく利用しやすいホームページを目指して、努力していきたいと思います。(O)

5月からエレベーターの改修工事を行います。

2017.03.07

[花]ガーペラ(アーティスト)、ラナンキュラス(エムチェリー)、スプレーカーネーション(セリーヌアメり)、ホワイトレースフラワー(ピンク)、[葉]ナルコラン、レザーファン

[花]ガーペラ(アーティスト)、ラナンキュラス(エムチェリー)、スプレーカーネーション(セリーヌアメり)、ホワイトレースフラワー(ピンク)、[葉]ナルコラン、レザーファン

 今年5月から、乗用エレベーターの改修工事を実施することになりました。

  富山県農協会館は、昭和55年3月に竣工していますが、乗用エレベーター4基と非常用エレベーター2基も、その際に設置されました。
 竣工してから約37年が経過し、エレベーターも老朽化してきたため、今回、利用頻度の高い乗用エレベーターの改修工事を実施することにしたものです。
 乗用エレベーターは現在、月2回定期点検を実施し、安全管理に努めていますが、今後、一部の部品でメーカーからの供給が難しくなることも想定されており、安全面などを考慮して工事開始を決定しました。

 
 改修工事は5月から開始し、10月末に終了する予定です。
 工事は2基ずつ同時に工事を行い、エレベーターホールに向かって右側の3・4号機(地下1階行き)を5月から7月末まで、左側の1・2号機(1階止まり)を8月から10月末まで、それぞれ計画しています。
 その間、2基ずつエレベーターを利用していただくことが出来なくなり、何かとご不便をお掛けしますが、ご理解くださるようお願い申し上げます。

 改修後は、地震対策として、現在設置されているS波(本震)センサーのほかに、P波(初期微動)に対応した装置や、防火設備対策として、遮煙(しゃけむり)設備や遮炎(しゃえん)設備なども、新たに設置されます。
 エレベーター内部も、LED化をはかるなど、全面的に新しく改装されるほか、外部にある扉や周辺の三方枠(さんぽうわく)などについても、各階すべて新しい色に変わる予定です。

 耐震改修工事に引き続き、乗用エレベーターの改修工事を実施することになり、何かと多くの方にご迷惑とご不自由をお掛けしますが、ご理解ご協力くださるようお願い申しあげます。(O)

心に響くコンサート

2017.03.01

[花]トルコききょう(桜みちる)、スイートピー(ハッピー)(ティアラ)、菜の花、[葉]玉シダ、[枝]桃(ピンク)(白)、ミモザ

[花]トルコききょう(桜みちる)、スイートピー(ハッピー)(ティアラ)、菜の花、[葉]玉シダ、[枝]桃(ピンク)(白)、ミモザ

 先日、千住真理子さんのコンサートに行って来ました。
 千住真理子さんは、いうまでもなく日本を代表するヴァイオリニストの一人。そして、ご存知の方も多いと思いますが、千住さんのヴァイオリンは、幻の名器として名高いストラディヴァリウス「デュランティ」。
 砺波市文化会館で開かれたコンサート。千住真理子さんの演奏を聴くのは3回目ですが、今回も心洗われ、魂に響く演奏会となりました。

 プログラムは、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」、クライスラーの「愛の悲しみ」、「愛の喜び」、エルガーの「愛のあいさつ」、リストの「愛の夢」など、どちらかというとオーソドックスな曲目。今回、嬉しかったことは、チェコの名門合奏団・スーク室内オーケストラとの共演だったこと。スーク室内オーケストラとは、過去に何度も共演されているとのことで、息もピッタリ。当然ながら、ソロやピアノ伴奏の演奏会とは異なり、音楽全体に幅や深みが出ていた気がします。

 演奏された曲目の中で、一番印象に残ったのはヴィターリの「シャコンヌ ト短調」。よく耳にする曲ですが、今回、弟の作曲家・千住明さんが、特別にスーク室内オーケストラとの共演用のために編曲されたそうで、味わい深い曲になっていました。

 千住真理子さんは、演奏の合い間に、曲紹介を兼ねて簡単なトークをされます。
 ともすると堅苦しくなりがちなクラシックコンサートですが、短いトークの中にも気さくな人柄がにじみ出ていて、なごやかな雰囲気が会場を包みます。

 千住真理子さんは、NHKの「ラジオ深夜便」にも、時々出演されます。
 「ミッドナイトトーク」という番組ですが、演奏会や執筆された多くの著書からも知ることができない、違った側面の千住真理子さんに触れることができ、楽しみにしています。

 最近、年間10数回、コンサートに行くようになりました。
 クラシックが中心ですが、気に入ればジャズなど、未知なジャンルにも足を運んでいます。
 不思議なものです。有名な音楽家のコンサートでも、期待外れの時があります。逆に、まったく期待していなかったにもかかわらず、思いがけず多くの恵みをいただいて帰ってくることもあります。

 これからも、琴線に触れる音を求めて、コンサートに通いたいと思っています。

 ヴァイオリニスト・諏訪内昌子さんのコンサートが、6月に高岡文化ホールであります。
 諏訪内さんの本は読んだことがありますが、演奏は一度も聴いたことありません。それだけに、今から楽しみにしています。(O)

小さな出会い

2017.02.20

おひな祭りです。[花]ラナンキュラス(黄)、デンファーレ(アンナ)、[葉]丸葉ルスカス、[枝]啓翁桜

おひな祭りです。[花]ラナンキュラス(黄)、デンファーレ(アンナ)、[葉]丸葉ルスカス、[枝]啓翁桜

 最近、ちょっと嬉しいことがありました
 画家・吉田博(ひろし)さんを知ったことです。

 先日、NHK・Eテレの「日曜美術館」で、初めてこの人の名前を知りました。
 それまで、吉田博さんの存在自体、まったく知りませんでした。美術品や工芸品に少し興味があり、時々見ている「日曜美術館」。吉田博さんの特集が、たまたま組まれていました。

 イギリスのダイアナ妃も、大変好きだったという吉田博さんの風景画。自室の壁に飾るほど、気に入っておられたとのこと。吉田博さんの絵画はどちらかというと、日本国内ではあまり評価されておらず、むしろ海外での知名度の方が高かったようです。

 ウィキペディアによると、吉田さんを「日本の洋画家、版画家。自然と写実そして詩情を重視した作風で、明治、大正、昭和にかけて風景画家の第一人者として活躍した」と紹介しています。

 もっと吉田さんのことが知りたくて、さっそく「吉田博 全木版画集」(阿部出版編集・発行)と安永幸一著「山と水の画家 吉田博」(弦書房)の2冊の本を買い求めました。

 
 以来、時々手元にある「吉田博 全木版画集」をながめています。
 もちろん、現物に勝るものはありません。それでも、画集を通して、詩情あふれる画風の一端を味わうことができます。テレビで紹介されていた代表的な風景画も、改めて画集で確認することができ、至福の時を味わっています。
 初めて知ったのですが、同じ木版画の原版を使いつつも、巧みに色彩や刷り方を変えることによって、朝、昼、夕方など、まるで趣の異なる風景画に仕上げることができます。
 これこそが、木版画ならではの神髄、真骨頂なのかもしれません。

 同じ絵画を見ていても、感じ方、受け止め方は当然、皆異なると思います。
 吉田博さんの木版画も同様で、私は少なからぬ感動を受け、今回の小さな出会いをとても嬉しく思っています。しかしながら、何も感じない方もおられるかも知れません。それはそれで良いと思います。受け止め方は、人さまざまですから…。

 つくづく自分が知っていることなど、ごく微々たるものだなーと思っています。
 それだけに、今回のような出会いは、とても新鮮に感じられ、素直に嬉しくなります。これからも、魂に響くような新しい邂逅(かいこう)を求めていきたいものです。本なり、音楽なり、美術工芸品なり、小さくともしっかりとアンテナを立て、自分なりの感性を大切にいきたいと思います。

 「生誕140年 吉田博展」が、4月29日から長野県の上田市立美術館で開催されます。自分の目で、吉田博さんの木版画を鑑賞できることを、今から楽しみにしています。(O)

[花]胡蝶蘭(白)、オンシジューム(ハニーエンジェル)、グロリオーサ(サザンウィンドゥ)、スイートピー(ステラ)、[葉]ドラセラ             (2月第3週分です。)

[花]胡蝶蘭(白)、オンシジューム(ハニーエンジェル)、グロリオーサ(サザンウィンドゥ)、スイートピー(ステラ)、[葉]ドラセラ             (2月第3週分です。)

 

アンケートにご協力ください。

2017.02.07

[花]ゆり(ウィケアル ベルティ)、アルストロメリア(ポエム)、カーネーション(リラ)、モカラ(イエロージッティ)、[葉]レモンリーフ、[枝]雪柳

[花]ゆり(ウィケアル ベルティ)、アルストロメリア(ポエム)、カーネーション(リラ)、モカラ(イエロージッティ)、[葉]レモンリーフ、[枝]雪柳

 2月に入り、私立大学の入学試験があちこちで実施されています。
 当会館でも先週、県外の某私立大学の入学試験が、8階会議室で行われました。
 受験生にとって、人生を左右しかねない大切な入学試験です。2日間にわたって試験が実施されましたが、夕方、責任者の方から「無事、終了しました」と言っていただいた時は、正直ホッと胸を撫でおろしました。
 もちろん貸会議室を利用される、すべてのお客様を大切に考えていますが、とりわけ入学試験の場合は、小さなミスも許されないだけに、どうしても気を遣います。

 大変ありがたいことに、昨年12月末に耐震改修工事が終了してからというもの、貸ホール・貸会議室の申込みが増えています。
 特に8階ホールは、土・日曜日、祝日を含め、問い合わせが多くなっています。ホームページにアップしていない、かなり先の期日分についても、ご予約をいただいています。
 都合により希望日が確定していない場合は、仮予約でも構いませんので、早めに事務局にお問い合わせをいただきたいと思います。

 貸ホール・貸会議室を利用された方々に、請求書とともにアンケートを同封して、送付させてもらっています。残念ながら、アンケートの回収率が徐々に下がっています。ご多忙とは思いますが、ご面倒でもご記入のうえ、FAXでご回答いただけないでしょうか。
 貸会議室をご利用される皆様に喜んでいただけるよう、スタッフ一同努力しているつもりですが、至らない点や気付かないところが多々あると思います。どのような事でも構いませんので、教えていただけないでしょうか。早急に改善して、少しでも利用者の方に満足していただけるよう努めていきたいと思います。

 今後とも、貸ホール・貸会議室のご利用のほど、よろしくお願い申しあげます。(O)

啓翁桜

2017.02.01

 

[花]エビデンドラム、ラナンキュラス(ラックスロティス)、ホワイトレースフラワー、てまり草、[葉]丸葉ルスカス、[枝]啓翁桜

[花]エビデンドラム、ラナンキュラス(ラックスロティス)、ホワイトレースフラワー、てまり草、[葉]丸葉ルスカス、[枝]啓翁桜

 ここ冨山は、まだ一面の銀世界。
 1年で、もっとも寒さの厳しいこの時期。春のきざしは、どこにも感じられません。
 しかしながら、母がいる実家では、ひと足早く春の訪れを告げる桜が咲いています。
 啓翁桜(けいおうざくら)です。
 この桜、ひとり暮らしをしている母に、先日届けたものです。

 
 昨年1月、初めて啓翁桜を買いました。
 山田村の生産者の方々が、富山駅で直売していたものです。母のもとに持参し、さっそく大きな花瓶に生け、茶の間の角(すみ)に飾りました。
 はじめは枝だけが目立った、この桜。固いつぼみが徐々に膨らみ、一輪、二輪と薄紅色の花びらを着けはじめます。みごとなまでに咲き揃った満開の時は、壮観なものがありました。
 可憐な花びらが散った後も、みずみずしい薄緑色の葉が生い茂り、しばらくの間、葉桜を楽しむことが出来ました。
 炬燵に入って、満開の桜やライトグリーンの葉桜を楽しむのも、なかなか風情があります。

 認知症になっている母。
 この啓翁桜を、母は大変喜んでくれました。寒さの厳しい真冬に、美しい花を咲かせる啓翁桜。その美しさもさることながら、日々少しずつ移ろいを見せるその姿に、言葉に言い尽くせない喜びを感じてくれたようでした。

 そのような母の喜ぶ姿をみたくて、今年も啓翁桜を買い求めました。

 昨年買わせてもらった山田村の啓翁桜は、残念ながらすでに品切れになっていました。
 親しくしている花屋さんにお願いして、啓翁桜を取寄せてもらいました。届いた啓翁桜は、山形県産のものでした。知りませんでしたが、啓翁桜の本場は山形県だそうです。

 最近、作家・落合恵子さんの本を読みました。
 「母に歌う子守唄 その後 わたしの介護日誌」(朝日文庫)です。
 NHKラジオから時々流れてくる、落合恵子さんの落ち着きのある声と語り口。何とも言えない、その人柄に魅せられて、手にしたこの本。目の前に母親の介護という、避けて通れない課題を抱えている小生にとって、まさに「バイブル」というべき本でした。
 この本は、落合恵子さんのお母さんがパーキンソン病を発病し、さらにアルツハイマーを併発し、多くの方に支えられながら、7年間にわたって自宅で介護を続け、84歳で見送るまでの体験を記したものです。

 
 介護に関するノウハウ本は、本屋に溢れています。
 しかしながら、実際に介護を体験した人の本、特に介護者の飾らない心情、赤裸々な思いを綴った本は、意外と少ないのではないでしょうか。
 本の底流に流れている、落合恵子さんの温かさと深さ。
 本当に、多くの事を教えていただきました
 今後も、母の介護の進み方に合わせて、幾度となくこの本を読ませてもらうことになると思います。

  とても落合恵子さんのようにはできませんが、少しでも母が喜んでくれる「目に見えない啓翁桜」を、今日も届けたいと思います。(O)

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